難関中、入学後も試練ー工夫と辛抱で天才と競争

教育メールマガジンから

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1)難関中、入学後も試練――工夫と辛抱で天才と競争
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 「先生、なんかやることありませんか」。この春、難関私立中学に合格したA男が聞いてきた。

 「ずいぶん余裕があるな、中間考査が近いんじゃないか。いつからだ?」「来週の月曜からです」「もう4日しかないじゃないか、大丈夫なのか?」「……ええ」

 相変わらず要領の得ない応答だが、最初の中間考査は重要な場面だ。きちんと確かめておこうと、試験範囲や課題、準備の状況などを聞くことにした。

 実は、難関中学の入試に合格したものの、入学後につまずいてしまうケースは山ほどある。合格後に、その先が続かない生徒と、大学受験できちんと結果を出せる生徒には、どんな違いがあるのだろうか。

 以前、塾の手伝いをしていた東大生のB君に中学の定期考査の問題を持ってきてもらったことがある。塾生に「君たちが教わっている先生は、中学時代にこんなに勉強ができたんだぞ。どんな準備をしたのか聞いてごらん」と言うつもりだったのだが、答案を見て披露するのはやめた。

 答案は中学1年から3年までの定期考査の数学。すべて満点で、証明問題などにはプラスアルファの加算点が付いている。何より驚いたのは、その進度だ。中1の学年末考査に、高1で習う三角比の証明問題が出ている。中2で高2までを終了して、中3からは「オリジナル」という受験用問題集からの出題となる。この学校の生徒は大学受験までに4回、この問題集を解くのだ。

 B君に勉強法を尋ねたら「授業で理解したと思います」とさらりと言う。天才なのだ。これでは一般生徒の参考にはならない。

 最難関校には、彼のような生徒が少なからずいるに違いない。そうした生徒に照準を合わせて授業は進む。天才でない子は工夫と辛抱で追いかけるしかない。

 わが国の発展を支えてきた要因の一つが、こうしたエリート校での厳しい競争なのだと思う。「これからは我慢比べだぞ」。そうA男に伝えた。

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 その塾長は私からしてみればまだまだだ甘いと思うが、そんな天才は最後まで我慢比べも勝ち抜き高級官僚になり、しかしそこで人間としての善悪の判断もつかなくなり、信じられない不正をする輩にもなるのである。だからその塾長は読みが甘いと思う。
 証人喚問まで受け結局断罪されたSも、中学高校は天才だったのだろう。そして我が国の教育の頂点を極めて官僚になり、とんとん拍子に出世をしたのである。ここまでは親も親戚も誉れ高かったであろうが、今はすべての罪をかぶらされて、不起訴とは言え罪人として消えてゆくのだ。辞めた新潟県知事しかり、頭が良い事=すべてが良いとは限らない。かわいそうに、しばらくは素顔では公道は歩けないだろう。
 私は塾をしながらいつも「本当の賢人に育てるには・・・」と自問している。「挨拶をする、約束を守る、嘘をつかない、そして勉強をする」など子どもの時から言う必要はあると信じるのであるが、人間万事塞翁が馬ともつくづく感じる。凡人は天才にはその時にはかなわないかもしれないがこの世の中、凡人には凡人しか分からない、できない事はいっぱいあるのだ。