受験志向は「安、近、少」

         明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
不況の影響は確実に私達の日々の生活にまで、やってきています。大手予備校の調査によると、受験生は授業料の安い自宅から通える大学を多く希望し、受験大学数は少ないのが今年の受験生の傾向だと、発表しました。
         確かに30年前の私の時は、地元の大学にだけは行きたくなかったのです。自立したいというか、高校時代から続けていた吹奏楽で全国大会に参加したくて行きたい大学は主に大都市にありましたし、思いやがりかも知れませんが大学生にもなって親と一緒に居る事が、当時は何か男として良くないようにも思えたのです。親もその事にはそんなに反対はしませんでした。
 都会に住んでも仕送り額が4〜5万でしたでしょうか、時々アルバイトもしましたが何とか生活できました。かぐや姫の「神田川」に出てきそうなアパートが棲家で、部屋代が6〜7000円でした。大学から奨学金をもらっていたから成績は落とせなかったので勉強はしましたが、その奨学金の大半は食費と後輩との飲み代になっていました。ですから全国レベルの厳しいクラブの合宿では、メンバーのほとんどが痩せていたのに対し私は、三食しっかり食べられたので肥えていたのです。
         しかし今の現実は、お恥ずかしい話我が子が都会の大学に行きたいというと、一家が路頭に迷わなければならない現状です。学費もかなり要りますし、都会だったら仕送り金額は20万近くは必要ですからまず無理です。そう考えると我が親を尊敬します。
         将来、都会で学生生活を送った地方出身者は、「お金持ち」という事になるかも知れません。でも逆に地方の大学にも今までは県外に流失していた優秀な生徒が集まり、よくなっていくでしょう。都市格差をこのようなところに感じ、まだまだ働かなければ!と痛感する新年です。