やはり気になる今の円安

 11/7のブログに円安の懸念を書いたが、わずか一か月で$1=¥120を超えてしまった。輸出企業はこの円安でどんどん儲けて社員の給料は上がっているというが、石油製品をはじめあらゆる物を輸入に頼っている我が国では、製品の輸入原材料価格は確実に上がっており食品などの値段が上がり始めて、生活を圧迫し始めているのも事実である。でもガソリン価格は元売り会社の販売価格が今は安くなっていて全国的にはガソリン価格は1L=¥150円代だと思うが、高知は今日本一高くて1L=¥162なのである。だから県外に行ったら必ずガソリンを満タンにして帰ってくるのだ。1L10円も違ったら気分的な違いはかなり違うのである。
 しかし、世界の石油価格を牛耳るオペックのもくろみで石油価格は下がっているが、これがアメリカでのシエールガス開発に影響を与えてその資本投入を無意味なものにして、大きな金融不安をも起こしかねない様相なのだそうだ。アメリカで石油に代わるエネルギーが利用されて世界的に原油価格が下がるのは良いが、下がりすぎるとまたアメリカでは経済がエライ事になりかねないというその原因が、現在石油を安く産出しているオペックの動向であるようだ。こんな明日もわからない世界的な経済の動きで日々一喜一憂しているビジネスマンは、それは大変な毎日だと思う。さらにこれらの世界の動きに天候や政治や人間感情が微妙に絡んでくるから、先の事など分かれというのが無理な話だろう。今をしっかり把握し行動するに違いない。
 むつかしい話の後になぜ今円安なのかを簡単に言えば、日本の金利が安いから円で持っているより、より金利の高いドルで持っている方が得なからである。金利が高いということはやはり日本よりはアメリカが今は景気が良いということだろう。でもこんな風にお金を動かすだけで利益を生む資本主義社会は、いつか崩壊するとマルクス資本論の中で書いていたようにも思うが、かといって社会主義が良いとも思わないし、資本主義に代わる社会主義と資本主義を足して2で割ったような経済体系が生まれないだろうか。これを考え付けば間違いなくノーベル賞ものだろうが人間の「欲」に対する本能が無くならない限り、無理な話かもしれない。かといって人工知能が今以上に発達してしまうとそれらに作った人間が服従させられると、イギリスのホーキング博士は先日警鐘を鳴らしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141203-00000035-jij_afp-sctch
 「欲」をより充足させるために人間は機械を作り、さらに「欲」を追求するために人間以上の機械を作って「欲」を得ようとする。そのうち機械が人間にとって代わり機械同士の「欲」の奪い合いになり、人間が考えもしない争いに発展していまう・・・。何やらSF映画のようだが「欲」が世の中を進歩させるからには「欲」によって、人間は滅びる可能性もあるという事だろう。でも歳をとってきてその「欲」が減ってきた私であり、「人は立って半畳寝て一畳あれば十分」という言葉の意味が最近分かってきたのだ。世界経済の話が人間哲学の話になってしまった・・・。