後をたたぬ「いじめ犯罪」

  学校や教育委員会に警察の捜査が入るという「前代未聞」の事件に発展した、滋賀県大津市の中学生の「いじめ問題」である。今まで話していたことがある時ガラっと変わって教育委員会や警察までが、違う行動に出始めた。人間社会において強者が弱者を虐げるのは仕方ない事かも知れないが、みんなが平等であるはずの教育現場でそれが行われることは、やはり問題である。しかし、死者まで出した問題の原因を深く精査もせずに関連性が認められなかったでは、亡くなった生徒の両親があまりにもかわいそうだ。本来生徒の命を守るのが一番の仕事であるはずの教員の長が言う言葉だろうか、わが耳を疑ってしまった。
 その取締りに警察が動くようになるともうこれは「犯罪」であるから、特に中学校は生徒に対して「いじめをした者は高校進学その他で大きく不利になり、ひどい時は犯罪者であるから高校進学の道は完全に絶たれ、犯罪者としての汚名を一生背負っていくことになる!」と生徒にも親にも強く諭しておくべきだ。教師に暴力を振るって学校で逮捕される中学生がいる現在、ひとりの生徒を死にまで追いやった生徒が犯罪人でないわけがなく、逮捕された生徒の如く扱うのは当たり前ではないだろうか。いきなりではなくて小さな芽のときから注意し、それがなかなか収まらない時の最後の処置ではある。
 しばしば、いじめっ子は教師の前では「良い子」を演じている時もあり、つらいことだが生徒にもそういういじめを見かけ教員に知らせたら、犯罪を未然に防いだのだから、内申点が上がるような処置も講じる必要を感じる。熱い心で教員を志望する若者のためにも、今後の学校教育者としての「プロ」としての対応を見守りたい。

 先日教育評論家の尾木直樹氏の講演をテレビで見たが、そこで「日本の教育の悪いところは欧米と比べて基礎学力が小中学校時代に確固たる物になっていなくて知識暗記偏重で、一番教育として大切な問題解決の能力が、子供の頃から養われていないところだ!」と話していいた。大津市の教育長や問題があった中学校の校長の弁明を聞いていると全くその「問題解決能力欠如」としか言えず、こんな人たちが次の世代の教育の担い手を選抜していたなどと考えると、やりきれない。大津市はこの際、膿を出し切って人事の刷新をすべきだと思う。もう彼らには来年はないだろうから、少しでも潔く去り際をよくして去ってもらいたいものだが、罪は罪として責任は背負っていかなくてはならないのだ。

  参考のために、文部科学省のいじめに対する指導サイトを載せておく。この指導を作った文部科学省のお偉いさんが滋賀県に出向いて、直接現場で指揮するしかないだろう。でもその文科省のお偉いさんに問題解決ができるだろうか・・・?
 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/06102402/002.htm