教えるという事・・・

 塾業をやってもう32年目でになる。思い返してみれば英語は興味はあったが学校の英語授業が暗記ばかりで面白くなくて、入試があったから勉強したくらいで、成績はそんなに良い方ではなかった自分だった。でもなぜ英語に興味があったかと言えば洋画やポップスが好きだったからだ。外国への憧れも大きかったのは言うまでもない。私が中学生だった頃の中学の英語の先生はすごい発音のきれいな先生もいたが、ジャパニーズイングリッシュの先生も多くいた。今のようにALTの発音が聴けるリスニングがあるわけでもなく、発音記号を先生が黒板に書き顔の絵も書いて舌を歯の裏に付けるとかどうのこうの・・・とそのジャパニーズイングリッシュで発音法を教えていたのを覚えている。でもそれが当たり前だったから、みんなその英語で習っていたのだが私は、洋画やポップスで耳を鍛えていたのか、どうもその先生方の発音が違うというのはわかっていた。
 でも高校の先生はそれはバリバリの英語発音でかっこいい!と思ったが、習っている教科書の内容が歴史や寓話が多くて面白くなかったので、あまり勉強はしなかったのである。英文法の時間に英作文がありとにかく10行くらい英文で書けという課題が出たが、みんな習いたての英文法の作文を書いていたが、私は覚えていたポップスの歌詞を書いて先生に、面白いがオリジナルの文章を書けと言われたのだった。それからである、その先生が英語の雑誌などを貸してくれ始めて、ここは面白いから読んでみろ、と声をかけてくれ始めたのだった。だからか私はあまり受験とは関係ない英単語を覚え始めていたのである。
 その後の英語に関してはいろいろあり割愛するが、そんな英語の先生の出会いが、自分を大きく伸ばしてくれたような気がする。
 ふと今教えている生徒たちに、自分がどんな風に思われているのかと考えてみた。英語だけでなく5科目の成績を上げて、行きたい上の学校に行かせる手伝いをするのが私の今の使命ではあるが、できるだけ中高生の余裕のある生徒には、専門の幅広い英語を伝えてはいる。リスニングタイピングなど受験でも将来英会話にも役立つ学習である。過去にも英語を教えて海外に飛躍した教え子もいるが、国際結婚となるとまた話は別で、その子の人生を変えてしまったような、親御さんには申し訳ないような気持にも今の歳になるとなるのである。だから英語は「そこそこやろう・・・」と今は話をしている自分である。