残業時間と幸福度の相互関係

 パーソルホールディング社と東京大学の面白い研究結果を目にした。仕事の残業時間と労働者の感じる幸福度に関する研究だが、残業時間がひと月60時間までは増えてゆくと労働者の幸福度は下がってゆくが、60時間を超えると幸福度は増えるというのである。週休二日として一日平均2.7時間の残業時間になるが、その残業に対する幸福度の理由として、①仕事のできる人や管理職への業務が「集中」し②上司や同僚が残業をしていると先に帰りにくいのが「感染」してゆき、③辛いはずなのに満足感を見出す「麻痺」に代わってゆき、そしてそれは④残業が習慣となった人から、その部下に「遺伝」していくというのである。
 確かに何か大切なプロジェクトなどを任されたりすると、それを期間内に終了させるのに我々は無理をしがちであるが、それが出来上がったときの達成感は苦労したものしかわからないから、それまでの残業時間なども忘れてしまうのかもしれない。しかし、仕事ができると上司に評価されれば知らず知らず仕事は「集中」し、それが当たり前になってしまって感覚は「麻痺」してしまい、その雰囲気は彼の更なる部下へ「感染」してゆき、最後に会社のやり方として「遺伝」してしまうのだそうだ。そして長くその状態が続くと、鬱になったり心身に変調をきたすのだそうだから会社は大変だろう。
 ブラック企業として名を馳せている塾業界だが、相変わらず人手不足にあえいでいる。かつては高級車を乗り回して塾を法人化し風雲児的だったが、右肩上がりの塾はいつまでも続かない事が分からなかったのか、事業を拡げすぎて講師が集まらず結局は事業は縮小を余儀なくされて、最後はすべてを自分でやらなければならなくなり、体を壊してその塾を閉めた塾長の話を思い出したのだ。今思い返しても塾の方針は立派なものだったが、生徒への対応と社員や講師への対応があまりに違いすぎて、結局は我が身を滅ぼしてしまったのである。
 講師がしょっちゅう変わる塾や、塾長がいつも講師のピンチヒッター的に授業をしている塾などは、長く通うにはふさわしくない塾かもしれません。受験を目の前にして今頃先生が代わっても一番困るのは受験生の塾生ですから、塾選びは小さな昔から地元にあり大きすぎず、男女の比率が半々くらいの広すぎない教室の塾がいいのです。そして実績があり、生徒や保護者の評価も高くその上授業料が安価となれば、塾ミシガン高知でしょう。
毎年各学年各時間定員制の方が塾生の幸福度(満足度)は高いようですから、定員満席時はキャンセル待ちになります、申し訳ありません。