ドル安円高になってきました。

 先週の大幅な株式市場の下落で株よりはまずは安全な円を買おう、という投資家の心理が出ているという。強いアメリカをもう一度とトランプ大統領は大幅な公共投資や減税を実施して、アメリカの景気は確かに良くなっているようには見えるが、財政赤字は一向に改善されていなくてお金だけがだぶついているアメリカだから、それに人件費が上がればインフレにもなるだろうから、金融引き締めが始まってもおかしくないのである。しかしその前からアメリカの株式は、過去最高値を更新するほど過熱していたので、1000ドルの下落は、適正価格に戻ったのだという経済評論家もいる。
 我が国も同じことが言えると思うが、日銀や国の年金機構が我が国の株式を一定割合購入し続けているので、株価が急に下がるような政策を政府や日銀が取るはずがない、との思惑が強い株式相場の一因のようだが、そんなに経済は甘いものではないことは多くの国家の経済戦略に携わる者が、重々承知しているであろう。日本国内にはお金は今だぶついているはずで、国民一人一人もそれなりの資産は持っているだろうが、景気が一向に良く感じられないのは、芥川龍之介の言葉を借りれば「将来に対するぼんやりとした不安」が、国民の中に強くあるのだと思う。だからお金は使うより貯める方に回ってしまうのだろう。
 しかし、戦前日本から移民した日本人は、過酷な労働条件のもと差別などにも会いながら、真面目にひたすら真面目に仕事をして立派な財産を築き現地に日系社会を築いたのであるが、敵国民の血が流れていていつ米国に歯向かうかもしれない…などと言う濡れ衣を着せられあげく、財産は没収されたいきさつから彼らは、教育にお金を使い決して奪われない財産を身に着けようとしたのである。それは後年大きく実を結び日系人の確固たる地位に押し上げたのだ。
 人生が80年の時代に、今までの20代前半で社会に出て40年働き、残りの20年を老後にする暮らしは、合わなくなってきているように思う。先日久しぶりに演奏会で指揮をさせていただいたが、できる事ならまた音楽を勉強したいと思った。それは自己満足よりは誰かの力になりたいからであるが、100%そうしてしまうと、日常生活ができなくなるから踏み切れない。英語もまた海外に行って学びなおしたいとも思うが、学んでその後に知識をどう生かしてよいものかがまだはっきりしないから、やはり踏み切れないのだ。でも世間一般の人も同じようにやりたい夢を描きながら出来ずに、歳を取っていくのかもしれないと思う。元気で働き続けられる喜びはありがたい、その喜びを多くの方に分け続ければもっとその喜びは強くなるだろうし、うれしくありがたいだろうから、まだまだ現役を頑張ります!

追伸、私の心配など全く関係無く米国も我が国も、(2/16午前中現在)株式相場は再び上昇している。やはりこの世の中は人間の強欲な欲望が動かしているのだ。