投稿 防災日本史、先人に学ぶ

 一昨年読んだ歴史学者磯田道史氏の「天災から日本史を読み直す−先人に学ぶ防災」を9月6日から読み返している。
https://bookmeter.com/books/8618678
 その2日前の9月4日に台風21号の大きな被害があったばかりなのに、翌々日の9月6日未明には北海道で震度7の大地震が起きた。昨年の熊本地震や今年6月の関西の地震、また7月の西日本豪雨災害の記憶も新しいから、今年は天災が多いようにも感じるが磯田氏によると、我が国の長い歴史から見ても幾多の天災や異常気象との遭遇は、この日本列島に住む民族としての宿命だそうだ。しかし先人達は多数の犠牲者を出しながらも生き残ってきて、多くの防災の知恵を現代の我々に残してくれたのだ。
 歴史的にも天災や国難があったりすると我が国は、元号を頻繁に変えてきたからちょうど来年元号が変わるので、この災いの連鎖も断ち切れるのではないか、などと前近代的な考えを持ったりするのである。今までカタログを見るだけだった防災グッズを今回は2個注文した。
 でも時代の最先端施設である国際空港が、わずか一個の台風で国家経済活動まで影響しそうな被害を受ける現在の我が国は、磯田氏の指摘通り、安全なところなどないと考えなければいけないのかもしれない。今の災いの連鎖が一刻も早く断ち切られることを一国民として願うのみである。
今回の地震で被害にあわれた方に心よりお見舞い申し上げます。

このブログは9月30日 高知新聞朝刊読者欄に掲載されました。