ソーラー照明

 台風や地震で大きな被害が出た関西や北海道の人たちが口をそろえて、「電気が無いのが大変・・・」と嘆かれていたが、その電気のない住宅街の中で煌々と明かりが灯り、冷蔵庫やテレビまでもが通常通り使えているお宅の話をニュースで見たのである。なんとソーラー発電システムを使った蓄電池電力の住宅であったのだ。蓄電池がフル充電なら、約1日通常通りの電気を使った生活ができるとの事である。一般家庭はなかなかそこまではいかないが、昔の家電と比べれば省エネで、電気が少なくて済むようになってきた。
 教室の看板に照明が無くて夜は、前にある水道局の防犯灯の明かりで何とかみられるのであるが、今回配線工事の必要のない、ソーラー照明を看板の上に付けた。入り口には以前からつけていたが先日の大雨で調子が悪くなり、より明るいソーラー照明に今回一緒に替えたのである。人感センサーも付いていてかなりインパクトのある照明になった。以前使っていたのも使えないわけではなく、テスターで調べたら充電用の電池は大丈夫だったので、今回新しい照明の中身を分解して、その充電電池に並列に前の電池を半田付けして設置した。中学の理科で習う内容の応用であるが、電圧は同じだが蓄電池の容量は2倍になり、蓄電点灯時間も大幅に伸びる。
 中学の時はアマチュア無線の国家資格を取り、今考えると無茶苦茶な英語で海外のハム仲間と交信をしていた。送信機や受信機も自作したり修理もしたりと電気屋まがいの作業もしていて、その経験が今でも役立っている。高校に入って吹奏楽に目覚めてしまってそちらの世界とは縁が切れてはしまったが、無線受信で耳を鍛えていたのか、音楽の世界でも英語の世界でも、あまり一般の人が聞こえにくい音が聴こえ理解できて、今に至っている。
 若い頃は何でもしたいことを、とことんしてみるべきだとは思うが、あまりにお金が掛かったり一番大切な学校の勉強が、おろそかになるようではいけない。昔伊藤みどりというフィギュアスケートの選手が一世を風靡して、スケート人気が出てその時ある保護者の方に、子どもがスケート選手になりたいというからと一緒に調べてみたら、高知でスケート選手になるためのレッスンを受けるのに、関西に行かなくてはならず毎回その旅費を含めて、目が飛び出るほどのお金が必要な事が分かった事を思い出した。月々の料金は親の月収くらいだったのである。それから話は立ち消えになってしまったが、趣味では済まない金額であり、無理して夢をかなえさせて練習を始めても結局途中で投げ出してしまったら、将来何も残らないかもしれない。でも無理して続ければオリンピック選手にも成れるかもしれないが、その可能性は限りなくゼロに近いと思う。
 そう考えると私の趣味などかわいいものだろう。小さい頃からお金をつぎ込み専門に習ってきて、それが大人であまり役立たない事もあれば、小さい時などたいして何もやっていなくても、学校で少し成績が良いからと医学部へ行って医者になるほうが、安上がりで一生立派な職業人として今の時代は全うできるから、勉強はしておいた方が私は良いと思う。仕事に貴賤の差は無いと言うが命を助ける仕事の医師は、やはりすごいと思う。
 ソーラー照明の話が今回も思わぬ方向に広がってしまった。