三年峠

ひょんな事で下記の韓国童話に「遭遇」した。童話に「遭遇」なんて大げさかも知れないけれど、これほど明快に「プラス思考・発想の転換」を説明している話はないと思うし、私にはかなりの衝撃であった。
    一口に「プラス思考で考えよう・・・」と言っても落ち込んでいる時はなかなかそうは思えない・・・「無責任な事を言いやがって・・・」と思うのが常である。「ついている」とか「ついていない」とか言うけれど、生を受けた者には必ず平等に「死」は訪れる。その悟りを開いた話といえないだろうか・・・

    「発想の転換」極端な話しだが今の資本主義の日本を一時的に社会主義にするとか・・・それくらいの、改革が求められている今はそんな時代ではないかと思う。



三年峠


 昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。

ある日、おじいさんはいつものように山へ仕事に出かけました。

その日は、三年峠という峠を越えていかねばなりません。


朝、出る前におばあさんはこういいました。

「おじいさんや。あの三年峠には気をつけるんじゃよ。

あそこで転んだのものは、3年で死んでしまうという言い伝えがあるんじゃからなぁ」

おじいさんが三年峠にさしかかると、いつもより慎重に歩きました。

「右足の次は左足」というあたりまえのことを意識しすぎてコチコチになり、

ついに足がもつれて転んでしまいました。

「これはしまった。大変だ」とおじいさんは慌てて家に帰りおばあさんに報告しました。

(ここからストーリが2つに別れます)

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ストーリー1

おばあさんはたいそう驚いて、おじいさんを責めました。

そして、おじいさんとおばあさんは毎日手を取り合って泣き暮らし、

そのストレスから、体のあちこちに支障がではじめ、

ついに三年を経たずにおじいさんは亡くなってしまいました。

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ストーリー2

おばあさんはたいそう驚きましたが、そのうちニコッと笑ってこう言いました。

「なあおじいさんや。人間はいつかは必ず死ぬわなぁ。

3年後に死ぬと決められるとそれもつらいわなぁ。

でもよく考えてみると、三年峠で転ぶと3年後に死ぬということは、

あと3年は生きられるという保障を得られたようなものじゃわ。

わっはっは!

おじいさんや、もう一度三年峠に行っって転んでいらっしゃい。

そうすれば6年生きられるわい。

あと2回転べば9年じゃ。こりゃめでたいめでたい。」

おじいさんはさっそく三年峠に行き

コロコロ、コロコロ転び、ついに天寿をまっとうしました。

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