人生一度きり、今からフルスイングを!

  NHKの土曜ドラマ「フルスイング」は、久しぶりに目頭を熱くしながら見た番組であった。プロ野球の名コーチとして名を成しながら58歳にして新たな世界に挑戦し、周りの人々に薫風のような息吹を吹き込み、その人生を終えた主人公のドラマチックな実話もさることながら、私は原作者が高知県出身で、名前が私と同じだったのが奇遇に感じたのであった。
  ドラマや原作の内容はともかく、人間歳を取ってきて人生の先が見えてくるとふと「自分の人生、これでよかったのか?」と考える事もあろうかと思う。人生80年と言ってもその1/3は寝ている。そして赤ん坊や老齢になって体が思うように動かない時間を差し引くと、ほんとにやりたい事が自由に出来る人生の時間は限られてくる。しかし若い時はそれが分からない、時間は無限にあるように思ってしまいがちだ。
  私たちは生まれてずっと命を削って生きていて、いわば生まれた時から寿命に向かって、カウントダウンの日々を送っていると言えよう。しかし、人間には絶対生まれたからには、その人にしか出来ない「使命」があるはずである。  
さぁあなたも若い頃の夢や憧れをそのままにせず、少しでも実現させるために行動されてはどうでしょうか?そんなメッセージを強く受けた番組であった。

高知新聞3月2日朝刊 読者欄に掲載されました。