投稿掲載「最高の人生の見つけ方」

最高の人生の見つけ方」という題の映画を鑑賞してきた。米国映画界の2大スターの競演だけに大変期待し、また私が常々考えていた主題だったので、あっという間の上映時間であった。 

     原題は「棺おけリスト」といい余命があまりない初老の男たちが、残された人生を悔いなくやりたいことをやって行くが、「本当の満足」はそんなことではないことに気がついていくのである。こんな話ならどこにでもありそうだが、私はなぜ余命があと少しと分かってからそれらを実践するのだろうか、と前々から思っていた。

     極端な話、今日生まれた赤ちゃんの現在の平均余命は女子なら85年、男子なら78年なのである。40代ならあと40年、50代ならあと30年と短くなってくる。そしたらその頃に「若い頃やっておけば良かった・・・」と思うことを元気な今からぜひ実行すべきだ。そんな実践は引退してからすればよいと考える人には関係ない話かもしれないが、まず出来る出来ない叶う叶わないを考えるのではなくて、まず今から挑戦してみる、努力してみる事でその経過から「最高の人生の見つけ方」の手掛かりは見つかるのではないだろうか。そうすれば引退した時はかなり実現できているかもしれない。 

     「少年老い易く学成り難し」の言葉が重く心に響くが、私は「中年老い易いが夢への挑戦成り易し」の気持ちで、残された余命30年を有意義に生きていく。

平成20年5月28日 高知新聞朝刊「声 ひろば」に掲載されました。