99年の愛

 いまTBS系列で流れているこの番組を興味深く見ている。橋田壽賀子の最後の作品になるのではないかと思うが、同じような俳優が登場し人物構成が多く、随所に紋きり調のとても長い台詞が聞かれる、紛れも無い橋田作品である。私は20代後半から30代前半の時何度となく渡米し、知り合った日系人から第二次世界大戦前後の日系アメリカ人の苦労話を知るにつれ、それらの歴史を調べたくなり実際に聞き取りをする、取材のような真似をしたことがある。異口同音に聞かれるのが「大変だったが、日本本土の暮らしよりは良かったと思う、なぜなら空襲が無かったから・・・」と30年前にカリフォルニアで会った日系2世の話が印象的だった。 砂漠の中で掘っ立て小屋の収容所に入れられたそうである。その人たちの親は全財産をなくしていたが、収容所ではひもじいことは無かったようだ。やはりそこら辺りから日本とは違うし、私自身ニューヨークの摩天楼が戦前の30年前には存在していた国と戦うなど、日本ってなんと同時の人は天狗になっていて、世間知らずだったのだろうと思った。すさまじい排斥運動のために、日系2世はアメリカに忠誠をあらわすため、自ら軍隊に志願し多くの方が犠牲になったのである。
 しかし、その大国がイスラム過激派のテロなどで今揺らいでいる。過去の戦争で日本の都市を無差別爆撃したような戦法が、人道上今では取れないからだそうだ。
  夢を持って近年もグリーンカードを取得し、アメリカに渡った若者の知人がいるが、日本料理店で板前としてがんばっているはずである。それなら日本でがんばればとも思うが何をするにもその人の自由、でも日本はやはり日本語を話す日本人には、一番住みやすいところだと再確認した。「風呂、畳、そしておいしいご飯」これらがないと生きていけない私は、まぎれもなく日本人だ。

追伸、この作品は何度も目頭が熱くなってしまいました。これだから橋田壽賀子作品は好きになれません・・・