字を書かない現代人

 前々から感じていました。ワープロやパソコンの普及で直接紙に字を書くことが少なくなったと・・・。まだ私は仕事柄鉛筆やノートをすぐそばに置いていて、字は書いている方かも知れませんが、世間一般の方はかなり直接肉筆で紙に字を書くことが減っているのではないかと思います。インターネットなどの記事や説明書を結構多く読みますから読める漢字はそこそこありますが、いざ書いてみるとなると高校入試レベルがスラスラかけるかどうかは、不安な人が多いと思います。そして字が下手になるのです。年賀状などもあいさつ面そして住所面はもうパソコン任せですから、何か一言書き加えようと書いてみると、自分の字に少しがっかりするのです。その少しおかしい癖字を見て友人たちは「私」を思い出してくれるのでしょうが、出来ることなら上手に書きたいですね。
 夏休みに20年以上前に教え子からもらった葉書が文庫本の中に挟んであり、この夏その本を読み返そうと本棚から出したらその葉書が出てきました。大変優秀な生徒で今は国語の先生をしていますが、文面もしっかりしていてさらに文字は驚くほど上手です。私はその子を知っていますから字体や文面から受ける「インテリジェンス」は簡単に想像できるのですが、もしその子を知らない人がその葉書を見てもきっと、同じような印象を持つことでしょう。字はその人の「品格」を表すのですね。
 作文や小論文を教えていますが、やはりきれいな字で書いてある文章は読みやすいですから、小さい頃に字を習っていて絶対損はないと感じます。英会話も小さい頃から訓練させる親もいますが私の持論は、「まず日本人として恥ずかしくないような日本語を話せるようになり、きれいな字を書けるようにする。」です。国語を小学生に教える時漢字の書き順などはパソコンでも教えられますが、なかなか上手に書く方法は教えられません。まぁ私が上手ではないので無理な話ですが、硬筆教室などできたら開きたいと思います。小学生時にきれいに書く方法を学んでいたら、きっと一生そこそこ字はきれいに書ける財産になると思うからです。
 現代人よ、まずは鉛筆で新聞記事でも書写してみてください。きっと文章の読解力ならびに字の練習もできて上手に書けるようになって来るでしょう。さらにそれを声に出して読むと脳が活性化するそうです。