ブラックバイト

 ブラックバイトという聞きなれない言葉をあるテレビ番組で聞いた。大学生がアルバイトのために大事な学業がおろそかになるほどの労働を強いられ、学生が「授業に出れないから辞めさせてくれ」というとアルバイト先から「契約違反だから違約金や損害金を払え」と言われ、大半の学生はそれらについての法知識がないからお金を払うそうだが、それらの大半は払う必要がないケースも多いそうである。そしてブラックバイトの問題の多い事例として「学習塾」が取り上げられていたのである。
 学習塾は教えるという仕事から、普通の誰でもできる単純労働よりは時給は高く設定されているが、実際は教える時間だけその時給が支払われ塾で拘束されている時間には、その時給は支払われていない現状が存在するらしい。ある塾での労働実態は、4時間拘束されながら実際の給料は授業をした2.7時間分しか支払われなかったというのである。すると時給1200円のはずが時給810円になってしまうのだ。  学習塾のアルバイトが学生たちの今後の人間形成にプラスになればよいのだが、少子化による競争からか授業料が異常に安い塾も出現しているようである。それらの値段設定にそこで働く学生たちの犠牲がないことを同業者として願ってやまない。