小学お受験に思う

 10/15の朝のテレビ番組で今の小学校お受験の様子が特集されていた。親はなぜ入れたいかといえば「どうせ中学受験、高校受験、大学受験で苦労するのなら今のうちにその苦労を終わらせておけば楽だと思うから・・・」という声が大半であった。確かに有名私立学校の受験はお金がかかるし年間100万円くらいかけて今勉強させて合格すれば、エレベーター式に大学まで受験なしに上がれるのであれば楽に違いない。でもその入った小学校は年間授業料が200万円近くで、卒業までには1000万円以上の授業料が必要だとも聞き、私には関係ない世界の話だとわかったのである。集める私学側は少しでも優秀な子を早い段階から集めて学校レベルの継続と、経営の安定を図っているのだろう。
 でもふと思った。こんなことなら全国に数多くある有名中学高校はなぜ付属の小学校を作らないのだろうか、ついでの事なら有名中高校付属大学とかも作ってしまえば経営は効率化すると思うのだ。神戸にある有名な男子中学高校のN校、前から思うが上級公務員を目指した専門機関的な付属の大学施設をどうして作らないのだろう・・・と思うのである。できるものならとっくにどこも作っているだろうから、何かそうはできない決まりでもあるのかもしれないが、大半が東大に行って官吏を目指すのなら、自前で最初から官吏になれるような教育ができる教育機関を作ればよいと思うのだ。それから医者にならなければいけない2代目などは医学部付属中学高校に入り早くから医師に必要な人間形成を施してゆく、いや防衛大学校付属中学高校ももうあっても良いのではないだろうか、そこ出身であれば防大ではより高度な専門的な知識を学べると思う。
 小学校のお受験の話が日本の防衛問題まで広がってしまったが、やはり人を育てる教育にはお金は掛るものでそれはそれを求めるなら仕方ない。お金も要らない公的な塾も今はあるようだが、そこに行っていた生徒がここにきて「全然授業の質が違うし、授業中の雰囲気も私語一つないのもいい。そして先生の責任感が違う・・・」と言ってくれた。当たり前だろう、お金をもらっている以上はこちらも適当な事などできないし、払う方は逆に適当な事など許すはずがない。授業も休めばうるさく言うのは当たり前で、お金の要らない所は休んでも痛くもかゆくもなければ、生徒はその場所が二の次になるのは当たり前だと思う。
 そして受験にはみんなが平等な受験者である。受験用紙に「私は低所得者の家庭で塾もいけていませんからあまりこの問題がわかりませんが、甘く見てください。」などと書けるはずもなく、とにかく点数が低ければ落ちるのである。今の授業料も決して高くはないし安いから来たという生徒と、見学に来てもっと安くなりませんか・・・と値切る保護者もいた。回数が少なくなれば安くなるがそれでは追いつかないことは親はわかって言っているのである。「それならなぜわからなくなる前にもっと早く来ないのか!受験は数年後には必ずあることはわかっているのだ!!」と顔で笑いながら心で叫ぶ私である。いろいろ面談でお話をして本人も頑張ってくれ家庭も協力してくれる事を約束してもらい、少ない時間でも引き受ける事もある。引き受けた以上責任を持って指導するが、無断欠席や授業料の滞納などが複数回起こると勧告後退塾してもらう。
 受験は真剣勝負です。やっているつもりでは勝てません、学習習慣がないその子が試験が近付いて勉強を始めたとしても、他のライバルも始めていてもっとやっています。自己満足では決して入試では勝てないのです。多分そんな子は運良く高校に上がっても同じように苦労する事は目に見えていますが、高校生ではまず来ません。私の言うとおり将来なってしまっても言う事を聞かなかったバツの悪さか、分からなくなって他の塾でわからない事でもっと怒られているのでしょう。そのまま上がればここでは入塾金がいらないのですが不思議と来ませんね、高校コースに残る生徒は高校でも良くできますが・・・。
 高校入学は目標ではありません、スタートラインでまた新たな競争が始まるのです。でもそれを覚悟で受験するのですから、勉強させなければいけないのです。