塾の中立性

 18歳も選挙権が持てて来年夏の参議院選挙から高校生(おもに3年生)も選挙に参加できるようです。学校で教科として政治経済や現代社会を通して今の我が国の政治の形態を学び先生によっては、今の政治の至らないところをなおさら強調して教えているとしたら、やはり学校の中立性は危うくなるかもしれません。逆に地理などでは国境線や領海領空領土などにも触れますから、尖閣諸島問題などを通じて国防の重要性を説かれる先生もいるかもしれません。
 塾に至ってはどうかといえば全く自己の主張など挟む余地はなく、生徒が使う教科書に合わせて一番試験で点数が取れる解答を教えるだけです。私はそれで良いと思っています。ここは成績を上げる場ですから、政治に対するイデオロギーを述べるところではないからです。でも宗教的な事に関しては繊細な感覚の保護者もいらっしゃいますから、政治と同じく何もそのたぐいのものは置いていませんが、塾によりましては入口に盛り塩をしたり、教室内に神棚を祭って神道的な塾である事を強調している塾もあるようです。生徒の受験票をその棚に置いて祈祷しているとかで、そこの塾長はそれを親に話しているようでした。私はそれが良いのか悪いのかは言及しませんが、違う宗教を信じられている方には大変嫌な事かもしれませんから、やはり教室内は不偏不党そして無宗教の空間を守るべきではないかと思います。日の丸も教室にはありませんが、ミシガンという名前からアメリカの星条旗はあります。でもそれはオブジェ的なものですね。
 逆にまれに政治団体や宗教活動に保護者から誘われることもありますが、個人の信条は別としても塾長の立場から教室内ではそのような話題を生徒の前では一切いたしませんから、お断りしております。でもある先生がそのような話をきつく断ったらその親の生徒が辞めた…みたいな事を言っていましたが、それは断って正解だったでしょう。塾もやはり中立であるべきですし逆に誘った保護者がルール違反です。
 明日はハロインだ、騒ぐ人がキリスト教を信じているのでもあるまいが、何人の人が本当の意味をご存知だろうか。「万世節」と言ってカソリックの亡くなった人を弔う日本で言えばお盆みたいな日が11/1でその前日がハロインであるが、その日は仮装して騒ぐ日と思っているに違いない。でも言う人が言えばこれも立派な宗教活動かもしれないが、深い意味はないだろうから英語教室などで取り上げるのは可愛いものである。日本のクリスマスのようなものだろう。しかし欧米の人はケーキは食べない。我が国独特の何でもありの日本だから、逆に無信仰と言えるのだろう。でも私の教室には神棚も盛り塩もハロインも必要ない。我が心に強く信ずる確信があればそれで良いのである。