「英会話と英語」は「日本語と国語」のように違います!

 春、新入生を迎える時期です。一人の有名私学に行っている中2生がお母さんと来られました。今から分らない英語をできるだけ復習してわかるようにして欲しいとの事で、教室の英語部門の個人レッスンをほとんど毎日することになりました。お母さんは英語は将来大切で必要だと思い子供英会話教室に小1から小4までお子さんを通わせていたそうです。小5からは進学塾が忙しくなり英語からは離れていたようですが、でもかなりのお金を払ってあれだけ通ったのだから英語が中学で分らなくなるとは、まさか思わなかったそうです。
 最近このような方の相談が増えています。

 英会話教室は言葉を教えるところで、英語を教えるところではありません。読み書きをしっかり教えるところは少ないでしょう。余りそれに力を注ぐと学習塾的になってしまっておもしろくなくなり、生徒がやめて行ってしまうからです。でもいくら会話の勉強をしても週に1〜2時間習って、子供の英語がペラペラになるとはまさかどの保護者も思ってはいないでしょうけど、どの親も中学では英語には困らないだろう・・・とは思っていますが、この期待はほとんど裏切られます。やはり読み書きしないと人間は覚えないのです。それは私たちが日本語ペラペラなので国語を習わなくても良いと思っているようなものです。


 英語の専門家の意見として日常英会話と学校英語は全くちがうものです。私たちが日本語ペラペラでも国語に大変苦労し難しいのと一緒です。英語を中学校で苦労させたくなければ英語学習をしっかりした指導者の下、小学校4〜5年から中学校まで読み書き学習を中心に続けることです。一緒にヒアリング、スピーキングをするに越した事ありません。そしてそれを日本語で学ぶ事です!外国人の先生には日本の英語はかなりの経験者でないと日本人には分るようには教えられないでしょう。子供はすぐ言葉を覚えその姿に親は「俺の子は天才だ!このまま行けばバイリンガルの子に間違いなくなる、行かせて良かった!」とその時は皆さん思います。でも1〜2年止めてしまえばまた頭は真っ白にりセットされてしまいます。すぐ覚えると言うことはすぐ忘れる!!と言うことを忘れないで欲しいです。しかし環境を保つことである程度の忘却は防げます。それは保護者自身が英語を学びあなたから子供たちに英語を伝え還元することです。そう言うと「私は学生時代英語が全くだめでしたから・・・・」と言う保護者もいますが、親がだめなら子供さんもダメかもしれません・・・


 英語が分らなかったからその苦労を味わいさせたくなくて、早く英語に接しさせ少しでも楽をさせたいという親心は分りますが、日本語もまだじょうずに話せない日本に住む日本人の子供に早期の英語教育が必要かどうかは、考えなくてもおのずと答えはわかると思いますがいかがでしょうか・・・・日本人です、まずあなたから美しい日本語を教えてあげてください!国語力をつける事が最優先です。大人になって英単語書けないよりも漢字を知らない方がずっと恥ずかしい事です!英会話は本人が話したいと思った時が話せる時で身につく時ですから、英語の話せない、わからない親が決めるものではありません。

 (追伸)英語の特訓始めた中2生は、さすが名門私立に通っているだけありすばらしい集中力とめざましい理解度を示し、標準的な学力に戻ってきました。精神的に強い彼には、気合いと励ましそして、思いやりでかならず英語分らない病は克服できます。そしてトップクラスの成績を取る事でしょう・・・・