「ハルとナツ 届かなかった手紙」

 昨日までNHKで放送開始80周年記念番組「ハルとナツ 届かなかった手紙」が5日連続で放送された。いま巷では風当たりの強いNHKであるが、さすがNHK!と思わせる作品であった。内容やそれについての評論などは毛頭お話しするつもりはないが何故NHKが放送80周年記念番組にこの作品を作ったのだろう・・・と考えていた。
  原作者の橋田寿賀子氏は「日本人らしい気持ちを持った日本人を描きたかった、今の私達は日本人だけど昔の日本人とは全く変ってしまったから。豊かになった分得た物も多いが、とても大切な物を無くしてしまった事を伝えたかった・・・」とインタビューで答えていた。司会者の「それでは25年前の作品の「おしん」とは関連がありますか?」との問いにはっきり「全くちがいます。あれは25年前の私の価値観で書いたもので、80歳の今の私の作品とは全くちがいます。」と話していたことが印象的だった。
 期待通り橋田氏の作品にはいつも泣かされ、考えさせられる。不変的な人間愛が根底に描かれているからだろう。2人の主人公を違った環境で70年間描き続けるのも、多くの人々に共感を感じさせたにちがいない。作品の題材としては朝の連続ドラマでも、いや大河ドラマでも十分通用するものであったのは間違いないだろう。
  私が子供の頃とはすっかり変ってしまった「日本」である。作者の言う私達日本人が忘れてしまっていた何かを、この作品は私に思い出させてくれたのだった。


  このコラムは「ハルとナツに日本の変化を思う」との題で平成17年10月10日付
 高知新聞朝刊 読者投稿欄「声ひろば」に掲載されました。 


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