恐ろしいシナリオ・不安の連鎖

  再び小学生が下校途中に殺害されるという、痛ましい事件が発生した。その地区の保護者、学校関係、警察関係、教育関係、はたまた塾関係などの方々は気の休まらない、さぞ大変な日々を送っている事だろう。一刻早くも犯人を見つけ同じような事件が二度と起こらないように祈る。
   しかし、このような事件が起きたらその安全対策として、安全グッズが必ず取り出されるのは悪くないと思うが、そのサービスを金儲けに繋げているのが、何か悲しくなるのは私だけだろうか?京都のこの度できる小学校では、生徒各自にどこにいるか分かるようにGPS発信機を携行させるとか、定期券に学校を出た時間、駅の改札をくぐった時間などが、自動的に各自の家庭にメール送信されるシステムを、売りにしているそうである。何も無ければ必要がないものかも知れないが、何が起こるかわからないから、そのようなものが必要になる図式・・・防衛産業など大なり小なり大国はこの図式を利用して、大きくなってきたのである。
  恐ろしいシナリオを思いついた。[ある製薬メーカーがある恐ろしい病気の特効薬を開発したとしよう。でもその病気は人類ではめったに発生しないとしたら、その製薬会社は販売不振に陥ってしまうだろうから、そうならないように故意的に、人為的にその病気の病原菌をばら撒くのである。たちまちその製薬会社は注目され、その薬はその病気に効果を示すのである。株価が上がりその製薬会社は急成長していく。しかし、ライバル会社がその薬が効かない病原菌を今度はばら撒き、その製薬会社の薬は全く売れなくなる。ライバル会社は自社がしたことに恐れおののき、同じ事を他社にされないように、その菌をどんどん強くしていくのである。そして薬は売れ続けるが余りに菌が強くなりすぎて、開発の製薬会社の全員もその病気にかかってしまい、特効薬が作れないままその病気は広がってしまう・・・]


 小学生の悲惨な事件の話がとんでもない話に変わってしまったが、何かが起きてからでは遅すぎるから、事前に手立てをすることは大切だと思う。しかし、大げさに心配しすぎると外にも出られなくなる。核開発で人類が経験してきた「不安の連鎖」は、もう身近なところにまで来てしまっているようだ・・・


11月30日犯人が捕まりました。「良かった」と思うと同時に、犠牲になった小学生のご冥福を心よりお祈りいたします。