Vol.56   天才モーツアルトも凡人のように悩んで大きくなった・・

  今年はモーツアルトが生まれて250年目だそうである。クラシックのアルバムでは1万枚売れたらヒット作品らしいがなんと今、モーツアルトの作品集のアルバムが70万枚を越える大ベストセラーになっているという。なぜ今モーツアルトなのか?と考えても私にははっきり分からないが、評論家によると今の癒しを求める世相が原因であるようだ。

   モーツアルトが生きた頃とは全く違う現代に彼の作曲した音楽が、現代人を癒しているのである。それは最近科学的にも立証され始めてきているようで、モーツアルトを聞くと脳の中の落ち着きを表わすアルファ波が増える。不謹慎な言い方かも知れないがクラッシック音楽を聴きに行くとコンサートで眠たくなるのは、それが原因かもしれない。
またそんなに個人的に研究したわけでないので偉そうな事は言えないが、モーツアルトが作曲した作品を今現代人が大学などで研究しているが、その作品の多くは当時彼がパトロンだった王様の一時の昼食のためのBGM用だったり、格調高く聞こえるオペラも今で言えば宝塚歌劇のような作品だったのかもしれない。それを現代人が形をかえて難しく披露しているような気がする。だから芸術的にどうのこうのと言っているのではなくて、私が言いたいのは別に大きなホールで正装して高いお金を出して難しい事を思いながら聞かなくても、当時の人たちのようにサンダル履きで身近に楽しめないか・・・と言う事である。
   天才モーツアルトの作曲だから200年以上残ってきたのかも知れないが、そんなことはともかく「この音楽いいなぁ、聴いていたら気持ちが楽になる・・・」で調べてみたら作曲がモーツアルトだった・・・なんていうのでいいのではあるまいか?ふと教室でBGMとしてモーツアルトを流したら雰囲気が変わってよりアカデミックな感じになるかな?と思ったが、勉強しなくてはならないのにアルファ波が出て眠くなってもいけないので計画中止。でも人によってはハードロックをがんがん聞きながら勉強や仕事に励んでいる方もいるから、モーツアルト=BGMの図式は決定的ではないようだ。

   妻が長女の妊娠中胎教にはモーツアルトのホルン協奏曲が良いと聞いて、朝に夕に聞かせた思い出がある。おかげでか元気に育ってくれているが、何もしなかった次女も元気なのでその効果についてはわからない。また学者によっては神のようにモーツアルトを崇め奉る学者の先生方も多いようだが、私はアカデミー賞を取った映画「アマデウス」でのモーツアルトの印象が強くて、同じ人間として彼を身近に感じている。音楽の天才とはいえども、我々と同じような人間としての悩みを持ち苦悩していた彼は、まさしく私達と同じ人間だったのである。