Vol.63  わからない私学志向・・・その先は・・・

昨日の高知新聞夕刊3面に「塾の黒船高知上陸・・・」という記事が大きく載っていた。少子化のこの時代、また県民所得は全国でも下から数えた方が早く、県民人口までも毎年ドンドン減っている高知県で、年間90万円も払って高知では何の実績もない新しい進学塾に集まるだろうか?・・・と噂されていたが蓋を開けると説明会は一杯で、2月に開校してもう80名の生徒数を数えているという。
  小学生がいる家庭は両親が若い世帯が多いだろう。県民所得が決して高くない高知県だから、30代で年収が500万円を超えている家庭は一握りだと思うが、多分家のローンを払いながらの高級車で送り迎えし、その上この金額の負担はかなりのものではないかと想像する。地元の塾でも高いと言われていた金額を、はるかに越える料金を払って行かせる保護者の心理はどのようなものか、計り知れない私である。

  人の懐具合の事だから関係ないが、生活保護を受けながらや収入がないから年金を免除してもらってまで、または親は爪に火を灯すようなつつましい生活をしながら、我が子を私学に行かせている話を聞いた事があるが、教育をそこまで真剣に考えるのになぜ公立校が選ばれないのか残念でならない。我々が税金を払って公立校は作られているが、その公立校が敬遠されてまた新たにお金を払って、私学に我が子を行かせる心理にさせるのは今の公立校の体制が少なくとも起因しているようだ。


  高知の人は私学志向が強いとよく言われるが、学力がかなり高いかといえばそうでもないし、私学志向の起因を作っている公立校の先生にその私学出身者が多くいる事は、一体何を意味するだろう?またその先生たちの子供も公立より私学を好むのである。

  ますますわからなくなってきた・・・