人間の尊厳・・・

 週末ではないが、このブログ、4月14日号で書いた督促状を用いた振込み詐欺が相変わらず横行しているのを知り、書かずには居られなくなった。
    テレビなどでも取り上げられている手口は、さもありそうな架空の役所名を名乗り、さもありそうな架空の法律を書いてお金を支払わないと、現実の生活に無くてはならないサービスが受けられなくなると書いて脅かしてくる。本物のように見せるようにかなり考えてまた、凝ったつくりの葉書や郵便物が送られてくる。詐欺だから振り込まないように!と当局が呼びかけるのならその前に明らかに詐欺をしようとしているのだから、「詐欺未遂」などで取り締まれないものか?と思うのは私だけだろうか?
   教室を始めて2〜3ヶ月経った頃FAXで、「運転資金、低利で融資します・・・」と言うのが送られてきた。融資してもらっている金融機関よりも安い金利が書いてあったので、一瞬だが借り替えたら金利分が安くなるな・・・と思い問い合わせて見た。さも大きな事務所のようなバックノイズが聞こえ大きな金融機関なのだろう・・・と想像してしまったのである。係りの上の人が少しして出てきて「査定をいたしますので明日FAXにてご融資できるかどうか、ご連絡いたします。」との事だった。あまりに簡単だったのでかえってその時不振に思ったのをおぼえている。翌日FAXが来て「査定の結果、御社には500万円の融資が決まりました。金利は・・・・でかなり安くご利用できますが、その条件を行使できるには審査保証料として事前に30万円必要ですので、当社の口座にお振込み下さい・・・」てな事を書いてあったので直感的に「詐欺だ!」と感じ仲間の先生方にメールで知らせたのである。金融機関が融資の前に事前に保証金などを要求する事は絶対にないからである。もしなんらかで必要になれば融資金額の中から差し引かれることだろう。

    中学生がクレジットカードのフィッシング詐欺をする昨今、こんなだましでお金を稼ごうなどという風潮は今に始まった事ではないであろうが、先日紹介した「国家の品格」の中に著者が、米国の小学生に対しての株式投資の授業をかなり強い調子で非難していたが、まさに同感である。お金とは額に汗して稼ぐものだ!と言う事を小さい時から教えずして、産業立国としての我が国は存在できないからである。既存の金融機関も額に汗して得意先から集めた大切なお金だから、今度その資金を融資する時には、厳しい審査があり保証人が必要になるのだ。

    最高学府で学び、時代の寵児ともてはやされ「お金が全てだ!」なんて話していた人もいまでは、被告人である。またマネーゲームのように地元の方々が大切に思っている会社の株を買占め、話題をばら撒き値段を吊り上げて元の会社に高く買い戻させようとして、総すかんにあい日本に居られなくなって海外に出て行った人も居る。その方も最高学府を済まれているのではなかったか?最高学府を悪く言っているのではないが、知識の詰め込みばかりで、人間的な知恵や情を育てる事が欠落している今の教育にこそ問題があるように感じてならない。最初に述べた「詐欺」もそれなりの知識が必要だろう・・・もし彼らの子供たちが同じ事をしたら、親として激怒するにちがいない。

これらを防ぐのは人間としての「尊厳教育」しかない!


またこれらの詐欺に関して下記、国民生活センターのHPに詳しく記事が載っているので、参考にしていただきたい。

http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20040804_3.html