私学私観

  小中学校の一学期は今週で終わり、来週から夏休みになるところが多いのですが、こちらの地元小学校は学習指導要領の増加に伴う「モデル校」のため、学習時間の確保が必要で終業式が22〜3日に伸びるそうです。私が小学校のころは確か7/24がいつも終業式ではなかったでしょうか?そして土曜日の午前中は授業がありましたから、今の小学生の学習時間が少ないのはどうしようもありません。でも国策で子どもから学校での勉強時間を取り上げて、その下がった学力は自己責任で補ってくださいといっているようなものですから、我々塾経営者には「追い風」かも知れません。

 私の塾は私のポリシーで中学受験の指導はしていません。わずか12歳で過酷な受験戦争を経験させることは、果たしてその子にとっていいものかどうか、私には分からないからです。なぜ私学に行かせたいのか保護者に聞くと「地元中学が荒れていて良くないから」と皆さん言われます。さもその地元中学が「無法地帯」のような印象さえ受ける話しっぷりです。片方が良くないから残った私学を選択肢として選ぶ事に私は異論は挟みませんが、がんばって入った私学ではさらに過酷な競争が待っています。経済的な負担もかなりのものです。落ちこぼれないようにするために、再び塾に行かなければならないかも知れません。確かに私の友人でも私学出身の人は優秀な人が多いですが、その彼らの下には多くのそうではない人もいるのも確かでしょうし、その優秀な私学出身者がその「無法地帯」と形容されている公立学校で多く先生をやっているのです。その結果「無法地帯」と思われる学校が形成されている・・・これは私学に行っても行かなくてもそう変わらないのでは・・・とは思えないでしょうか・・・じゃんけんの三すくみの法則のような気がしてきました。

 私学中学に行くと15歳になったとき、商業高校や工業高校などに進みたいと思っても、なかなか行き難い現状を知っておいてください。そしてその私学高校に進学しても、みんなが有名大学に進学できているわけでもないことを、知っておいてください。公立高校の進学校も現役国公立合格率が6割以上と、最近はかなり良くなってきました。私学出身の先生が少ないからかも知れません・・・
 何度も言います、私立中には「本当にお金持ちの、頭のいいお子さん」を進学させるべきです。受験塾で朝から晩まで勉強させてようやく合格できるようなお子さんを入れてしまうと、そのお子さんの中学時代はきっと人生における劣等感の形成時代になってしまうでしょう。