ある高校野球部から学ぶ塾指導

 7/27記 高校野球夏の甲子園を向けて地区大会も佳境に入ってきた。高知でも長引く梅雨の影響で4日間順延になったベスト8の試合で、私の母校は勝ち5年ぶりにベスト4に駒を進めることが出来た。公立高校で旧制の第一中学がその前身であり、今では高3受験生の6割以上が現役で公国立大学に合格する、県下屈指の進学高校である。
 優秀だった同級生が昨年はその母校に教頭と校長で赴任してきてまた、娘がその高校に進学をしたので入学式などで出会うことがあり、昔話以上に今の現状について聞かせてもらった。野球部について話が及んだ時、「成績が悪い者は辞めさせられるクラブで、今の顧問はまずは勉強をしっかり出来ない子は、野球をする資格はないという考え方なんだ。だから野球部は学校でも優秀な生徒が集まっている・・・。」と聞かされていた。確かに野球部の部員である前にその高校の生徒なのだから、当たり前の考えかもしれない。しかし、私学などでは相変わらず勉強などそっちのけで、県外から野球の才能のある生徒を連れてきて、甲子園を狙っている学校もあるのを思うと、そんな学校は甲子園に県代表として行ってほしくないと思うのは、高知県人でなくても人間として当たり前ではないだろうか・・・明後日は決勝戦出場を掛けた試合である、時間が許せばトランペットを持っていって球場で応援したい。

 塾で以前同じ学年の生徒達が同じ勉強をして、私から同じ資料をもらって定期テストを受けた同級生達がいた。半数はその資料をしっかりやっていたのか同じような問題が出たといって、すばらしい点数を取り保護者からお中元をいただいた矢先、他の同級生は成績が下がったと親からクレームが来たのである。その時その保護者に話したことを思い出した。
 「自分の頭に入るまで**君が、勉強できなかったのが原因だと思います。学校からの資料もありましたからそれをやって、塾の資料と重なるところは要注意だからしっかりやっておくように・・・と指導はしていまして一緒に勉強している**君はすばらしい点数でしたよ、みんな同じ運動部のようですが、おかあさんが言われていることは、さもクラブは毎日練習しているのにわが子はいつも勝てない、わが子が少しは勝てるような指導をしろ!とクラブの顧問に言っているようなものではないでしょうか、私が教えたみんなが悪い点数なら甘んじてその批判も受けますが、成績が優秀な子もいますから私の指導は間違っていません。お子さんの家での学習に問題があるのでしょう。」とはっきり話したのだった。それ以上その親は何も言わなかったが、確かにわが子が勉強を家でやれていないことに気が付き、定期的に勉強が出来るように私もその生徒を指導したのであった。

 運動クラブは毎日練習しているが試合にはなかなか勝てない、それでも親は文句を言わないが、塾に来てもろくに自分では勉強しないのに、成績の悪いのを塾のせいにする親、気持ちは分からないでもないが、運動クラブほど塾で勉強したら、あっという間にトップクラスに入れる自信はある私だ。
 前途の高校野球部の顧問のように「成績がよくなければクラブなどするな!」という気持ちは憧れである。

後輩諸君、目指せ甲子園!

 7/31記 7月30日に高知県夏の甲子園出場をかけた熱戦は、高知高校の優勝で幕を閉じた。決勝戦に残ったのは甲子園常連校の明徳義塾高知高校の私学の2校で、準決勝でそれぞれの学校に挑んだ公立高校はそれぞれコールド負けを喫した。二校とも公立高校は進学校であり、練習時間や練習場の狭さなどの問題を克服しての活躍だったのであるが、実際に試合を観戦してみてレベルの違いをまざまざと見せ付けられた。翌日の新聞にも書かれてあったが「よく頑張っている。」からもう一つ脱却しないと、いつまで経ってもこれらの私学には勝てないかもしれない。負けは負けと認め、代表の高知高校には思う存分県代表として頑張ってほしい。