オバマ大統領のこの1年

   約一年前に大変な支持率と絶大なる人気の上で、アメリカ立憲史上唯一の黒人大統領が誕生して丸一年が経つ。Changeはしただろうか?オバマ大統領の人気だけが下降向きにChangeしたように思う。私は就任当時は彼に期待はしたが、ブッシュ政権の引き起こした戦争を引き続き行い、それ以上に増派していくと聞いた時から、彼は何も変えていないと感じ始めていた。ある評論家が「アメリカは不景気になると戦争してきてその不景気を克服してきた国家である。」と話していたが、外れてはいないと思いながらも、今行われているイラクでの紛争などが、第二のベトナム戦争になるような気がしてならないのである。そして国民健康保険がいまだに実施されていない国でもあるのだ。私は月々かなり金額の国民健康保険料金を、家族や自分の体を守るために自分の小遣いを返上してもまず払うことにしている。しかしアメリカは自分の健康責任は自分で個別にかけた保険でまかなう考え方で、他人の健康など守る必要はないという考え方なのである。完全なる自己責任の考え方だが、よくそれで自国や他の国の安全を守るためとあちこちに基地を持ち、米国が危険にさらされているからと他国に攻め込んで行けるものだと、私は思う。
 第二次世界大戦が終わり世の中が戦後復興を始めた5年後の1950年6月に朝鮮戦争北朝鮮が韓国に突然攻め込んで来て始まった。この戦争でアメリカは、国連軍として戦ったが大変苦戦をした。なぜなら義勇兵として中国から100万の兵士が北朝鮮に派兵されていたからで、当時の総司令官のダグラスマッカーサーは、大統領に中国爆撃の許可を取ろうとしたのであるが、そうなるとアメリカは中国と全面戦争になりかねないと、そのマッカーサーの要請を却下し、彼を総司令官からはずしてしまったのである。その大統領トルーマンはやはり軍部の暴走を許さず、1年後に休戦協定が結ばれそれが今も続いている。このような指導力オバマ大統領にあるかどうかだろう・・・。
 我が国もChangeはしたものの、あまりに幼稚な事柄で国会が審議されている現実は、とてもさびしい。オバマ大統領と鳩山総理を比べるつもりは無いが、政治以前の事が国会で論議され我々の生活が置き去りにされているようで、なんとも悲しい。そしてあの国会の野次も何とかならないものか・・・「いくら議員の権利とは言うても、人の話をちゃんと聞いてもっと静かにできんがか!」と土佐弁で叫びたくなる私である。