盛者必衰の理(ことわり)

 今回はどんなに内容か想像はつくと思います。世の中がこうさせたのか、自らこうなったのかは分かりませんが、おごれる者とは思わないけれどかつては一流と思われていた物が、どんどん崩れ去っています。まずはJALです。何度か海外にも行き空港でJALのクルー軍団に出くわしました。2列縦隊であの制服、みんな同じ化粧にヘアスタイルでキャリーを引きながら歩いている姿は全く個性が無く、さもそれを誇らしげに見せびらかしているように見え、何か異様でした。そして運賃の高かった事、海外に行くのに乗ったことはありません。また学生時代の30年以上前に大学の教授が、彼女らの年収について話していたことをはっきり覚えています。大卒初任給の2倍近い金額でした。その金額に私はショックを受け、空港で彼女らの姿を見ると、半分やっかみの気持ちで見ていたのです。人気の高い職業でなるのも一苦労、そしてようやくなって高給をもらっても、ほとんど3〜4年で辞めてしまうとも聞き、何やらむなしささえ感じました。ですから、今こうなったのは当たり前だ!と思っている人も少なくないのでは・・・と思います。
 そして百貨店、私には全く関係のない場所です。買い物などもらった商品券でしたくらいです。同じものでも百貨店の包み紙で包んでいれば、贈り物として恥ずかしくないと聞いたことがありますが、今はどうでしょう、昔ほどの威光はないと思います。近所の量販店の商品券の方が使い勝手がずっといいし、私は多用しています。百貨店という言葉が将来死語になるかも知れません。
 そして昨日耳にした朝青龍の引退です。スポーツ選手は嫌でも引退の時はやってくるものですから、精一杯精進し活躍してから引退の花道を飾って欲しいものですが、朝青龍は所詮まだ20代の未熟な若者だったのかも知れません。横綱の風格を求めたほうが無理だった気もするのです。推挙して横綱にしたほうには責任はないのでしょうか・・・わずか20代でその世界の頂点を極め、人間性も品格や風格を求められます。その世界に入った者の宿命と言えばそれまでですが、強いばかりではいけない横綱ですから、未熟な朝青龍にはこれ以上は無理だったのかも知れません。師匠の高砂親方高知県出身で、朝青龍も野球で有名な高知のM高に相撲留学していてスカウトされ角界に入ったので、高知県はさぞやその話題でにぎやかだろうと思われているかも知れませんが、龍馬伝の方がずっと人気があります。高知の人はあまり触れて欲しくない彼らの事かも知れません。私もそうです。
 プリウスが絶好調だったTOYOTAも、アメリカでとんでもないリコールが始まっています。経営の気が緩んでいたとは言えないかも知れませんが、誰がこのような事態を昨年思ったことでしょう。何でも天下を取ったら必ず落ちるものだと思ってしまいます。でも1月我が国で一番売れた車だそうですが、リコールが決まってしまいました。
 人間、立って半畳、寝て一畳あればいいといいますが、上に書いた企業人達は、ひょっとして一生懸命学生時代から塾に通っていい成績を取り、いい学校に入って世間がうらやむ大企業に入って、親をさぞ喜ばせた事でしょう。でも今の問題の当事者だとしたら、眠れぬ夜を送っているかも知れません。不況のせいだから仕方がない・・・と思ってしり込みし絶望するのか、いやこれも自分を成長させるための試練だから頑張ろう!と希望を持ち続けるのかは、やはりその人の「心の強さ」でしょう。でも頂点を極めれば必ず下りがやってくることを、忘れるべきではないですね。ふと、頂点を極めなければ下りはないのでは・・・と思いました。常に挑戦者の気持ちでいれば・・・
 JALもTOYOTAも百貨店業界も、そして朝青龍も今の苦しみをバネにして、再起することを信じています。