タダより高い物はない・・・

 数年前学校の先生をやっている友人との久しぶりの再会で、私が遅くまで授業だったものだから、教室で落ち合ったのだがどんな教材を使っているのかとの話になり、教室で使っているワークブックや動画教材を少し見てもらった事がある。丁度東京のある中学校が学校で夜間民間の塾の授業を始めることが話題になっている頃なので、多分そんな事もあってのことだろうが、「こんな授業を塾ではやっているのだね、それも少人数で対応できれば生徒は分かるだろうし、能力に応じてどんどん進められたり、さかのぼって復習も出来るのがうらやましい・・・」と話していた。勉強以外のことで学校の先生は忙殺されているし、勉強が大切だと分かっているがなかなか休みの時はそんな気持ちになれない・・・と話していた。そして一番感心していたのは「動画授業」だった。「こんな短時間にこんな解説方法もあるのだ・・・。」と感心しきりであった。それはそうだろう、全国の経験豊かな塾講師が利用する教材でさらに、その先生方が納得する授業でないと売れないだろうから、レベル的にも内容的にも良いものだと思う。現役の学校の先生もいつも生徒の指導法に苦労しているようだから、少しでも先生方の負担を軽くするべくこういう「動画教材」が、現場の学校でも導入されているようで、逆に先生の指導法の教材としても使えることは間違いないと思う。
  いま生徒が減ってきて塾の競争が激化し無料授業が横行しいて、塾の潰しあいの様相を呈している塾業界。ある程度お金を払っているしもらっているから責任が発生し、生徒も塾で勉強できるのではないだろうか。今は学校の先生からも塾に生徒を頼まれる時代でもあるのだ。もし授業料無料の私立の中学高校が出来たら、値段が無料というだけでわが子を行かせたいだろうか、我が子が学校名を口にするたびにその親は無料の学校に我が子を行かせている親と、見られているかも知れない。設備は、指導はどうだろうか・・・。塾も同じなのである。塾によっては良い講師を雇い、現役の学校の先生が驚くようなよい教材を生徒のためにと導入すれば、経費はかかる。タダではない。教室も借りていて塾長や講師にも生活がある。だからそのタダの授業料がずっと続くわけでもないだろうし、あと後「タダより高い物はない。」と思わないようにやはり塾を選ぶ上で、どんな塾長がどのような考えで授業をやっているかを、しっかり見極める事が肝要であろう。
 大人は仕事に出る。それがその大人に取って楽しい仕事かそうでないかは別にして、決められた時間に仕事に出ればそれなりのお給料はもらえる。塾もそれなりの合格率や成績アップの実績があるところなら普通の生徒なら、通えば成果は上がるものであろう。そしたら次に必要なのは通ってくる生徒の気持ちが、大切だと思う。私は生徒が時間通りに足が自然と向く塾作りをまずは考えている。そして授業が終わって「勉強がすごく分かって楽しかった!」と家で親に話ができるような塾である。試験の前などは塾でやったことを復讐するように生徒には指導はするが、本当にやったかどうかはまでの追跡調査はしていない。でもそれまでを要求してくる保護者もいるのである。でもそんな家庭に限って親が子に、勉強をさせる環境をあまり作っていないようさえ感じるのだ。例えば親自身会社が終わって家でまだ残業しろと命ぜられて、果たしてうれしいものだろうか。でも会社が楽しければ気持は残業の方に向きやすいとおもうのである。私もそれを子供に置き換えての塾作りをしている。きちんと時間通りに来て続けて塾で勉強すれば、必ずそれなりの成果はあるのだ。
 昔から子供は「親の鏡」という言葉がある。わが子を変えたければまず親自身が変わることが大事であると思う。