気になる日本語

株価の乱高下「機械のおかげ」 麻生財務相
朝日新聞デジタル 5月28日(火)14時41分配信

 東京株式市場で株価の乱高下が続いていることについて、麻生太郎財務相は28日の閣議後の記者会見で「一日でこれだけ乱高下するのは機械のおかげ」と述べ、高速の株の売買注文を自動的に繰り返す手法が乱高下の原因だとの見方を示した。

前から気になっていた日本語である。「〜さんのおかげで・・・」「〜さんのせいで・・・」の用法だ。自分としては「おかげ」は後に良い事が来て、「せい」は後ろに良くない事をつけて使用していたが、人によってその逆の用法を使うのでどちらが正しいのか・・?と思っていた。すぐ調べれば良いものを「自分の日本語の使い方に間違いはない!」と思っていたから、調べなかったがさすがに閣僚が自分で思っている使い方と違う文章で使うと、恥ずかしながら調べてみたのだ。
 驚いた。「おかげ」は良い意味でも悪い意味にでも使えるのである。「せい」は後に悪い意味が続くようだ。

 「あいつのおかげで株で大損してしまった・・・。」「あいつのせいで株で大もうけさせてもらった・・・。」
どちらの文章も私の日本語には存在しない。

お‐かげ【▽御×蔭/▽御陰】
1 他から受けた力添え・恩恵。また、神仏の助け。加護。「―をこうむる」

2 ある物事がもたらす結果。また、他から受けるよくない影響。「熟睡した―で気分がいい」「長雨の―で作物はさんざんだ」

[ 大辞泉 提供:JapanKnowledge ]

せ‐い〔‐ヰ〕【▽所為】
《「所為」の音「しょい」の音変化か》上の言葉を受け、それが原因・理由であることを表す。「年の―か疲れやすい」「人の―にする」「気の―」

[ 大辞泉 提供:JapanKnowledge ]

しょ‐い〔‐ヰ〕【所為】
1 しわざ。振る舞い。

「自分の―に対しては…徳義上の責任を負うのが当然だとすれば」〈漱石・それから〉

2 そうなった原因・理由。せい。

「暴政は必ずしも暴君暴吏の―のみに非ず」〈福沢・学問のすゝめ〉