号外 ちょっといい話

新幹線貸し切り恩師の退職祝い…涙声の車内放送
読売新聞 8月25日(日)11時26分配信

 九州新幹線を貸し切りにして、福岡県豊前市の市立千束(ちづか)中の卒業生ら約260人が、中学時代の恩師の退職を祝うイベントが24日、博多―鹿児島中央間で行われた。

 JR九州が、鹿児島ルートの全線開業2周年記念として企画。かなえたい夢を公募し、九州内外から寄せられた1539件の中から、同中OBの自営業、末延(すえのぶ)道尚(みちひさ)さん(31)の案が選ばれた。

 恩師は、今春定年退職した同市の木原純子さん(60)。末延さんは「みんなの母親のような存在。思い出に残る退職祝いを」と同級生らと内容を練り上げた。

 新幹線はこの日午後、車内放送で校歌を流しながら博多駅を出発。車中では、車掌の制服を着た木原さんが巡回し、教え子らの切符にスタンプを押した。食事はコッペパンやオレンジジュースなど当時の給食を再現。教え子の女性から“卒業証書”を贈られた木原さんは到着を告げる車内放送で、「経験したことのない喜び。私ほど幸せな教師はいないんじゃないか」と涙声で感謝を伝えた。
.最終更新:8月25日(日)11時26分 Yomiuri News