投稿 黒田官兵衛と藤

 大河ドラマは最近は例年見ている。その主人公の生涯はドラマだから少し脚色されているだろうが、歴史から学ぶやはり先人の人生に大きな指針を感じるのである。そしてテーマ曲がまた良い。8分の6拍子のゆったりとした主題は、彼の晩年の高い人間性をも表現しているようにさえ感じるのである。
大河ドラマではいよいよ中盤の山場ともいえる黒田官兵衛には外せない、有岡城での1年にわたる幽閉がもうすぐ起こる。諸説はあるが織田信長の家臣になり数年で頭角を現した荒木村重は、信長が心からは信用できなかったようで謀反起こし、話し合いに来た黒田官兵衛を牢獄につないでしまうのだ。この時官兵衛が殺されていればそれからの豊臣秀吉のもとで官兵衛の働きはないわけで、ひょっとしてら天下を取っていないかもしれない。しかし現実に村重は彼を殺さないで牢に幽閉してしまった。
 何が官兵衛を1年もの間暗闇で励ましたのだろう、その答えは吉川英治の作品で有名だが、官兵衛は牢の窓から見える一輪の藤の花に生気を感じていたそうだ。それで大成して彼はその幽閉時のつらさを忘れないようにと、家紋を藤巴に変えているのである。やはり歴史に名を残す人はここらが違うようだ。
 つらい時は後から思えば笑い話になることもあるが、相対している時はそのつらさが無限に続くような気がして、人間は落ち込むか逆に傍若無人になったりするが、それから考えればつらい厳しい時間がその人間を鍛えているようにも思えるし、もっとプラスに考えたら悪いことがあると「天は自分をひとかどの人間になるよう鍛えてくれているのだ!」と思えなくもない。すると「最悪の後はそれ以上は悪くならないから良くなる!!」と思えてくる。
 私はその一日だけは一人落ち込み、そうなった原因を考え翌日からはプラスに考えるように努めている。まだ官兵衛のように高い人間性に大成するのには時間がかかりそうだが大成で来た頃が終焉かもしれない。だからこそ「今」なのである。明日より「今日」だろう。今日を頑張れば「明日」はきっと良くなると思えるようになってきた私である。連休は塾長会研修でさらに自分を磨いて来ます。

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このブログの凝縮改訂版が高知新聞 5/15朝刊「声・広場」欄に掲載されました。