マイナス金利とは・・・

 日銀がマイナス金利なるものを始めた。これを聞いて「とうとう日本経済も来るところまで来てしまったか・・・」と思ってしまった。「銀行がマイナス金利?」と聞くと我々が銀行からお金を借りる場合金利が必ず発生するが、今回その金利がマイナスになるのか?・・・。銀行が「どうかお金を借りてください。金利は要りませんし返済は借りた金額の0.1%引いた金額でかまいませんから・・・」とか言う意味かなとか思いそうであるが、そうではない。銀行も損をしてまでは我々には貸さないだろうけれど、銀行は日銀にある程度のお金を万一に備えて預けておかなければいけないようで、その預入れ金には日銀も多少なりとも利子をつけていたようだが、今回からはある程度の限度を超えた分の預入れ金には、今度は銀行から日銀が手数料をもらうという制度のようなのだ。そうなれば銀行は日銀に預けるよりも多少なりとも自分の顧客に貸して利益を得たいと思うだろうから、住宅ローンなどの金利が下がってくるのである。借り手には朗報であるのは間違いないが、預ける方にはさらに厳しい金利事情になるわけである。今10万円を預けても1年間で利子は1円だとか。それを聞いて「そんなのだったら来年の10万1円より、今の10万円の方が良い!」と思って使ってしまうのか、「来年はもっと厳しくなるかもしれないから、減らないだけでもいいから預けておこう。」と思うかであろう。
 でも今なぜお金はだぶついているのに世の中に回らないかと言えば、我々国民が過去20年間ずっと心に持ち続けている将来に対する「ぼんやりした不安」に違いない。私はだからと言って芥川龍之介のような行動はしないが、残された自分の人生を今以上に積極的に過ごしたいと考えるのである。先のことはわからないから不安になって当たり前だが、あまりにも今は夢のような希望が見いだせないのだ。
 一つ提案がある。昨年各地で発行されて人気になった地方振興券を、国家的に発行してはどうだろう。割引率は10%で消費税分も浮かすことが出来て、さらに購入した金額で消費した分は年末調整や確定申告で控除されるのである。作業が煩雑だろうがマイナンバーで管理すればできそうな気もするのである。
 安倍首相の当面の課題は国民の中に存在する「ぼんやりとした不安」を払拭することであるのは間違いない。