2012/5/11のブログ「夢で見た夢」再考

 最近ある方からこのブログが面白かったとメールをいただいて、読み返していた。6年半前のブログである。最近自分で少しは成長したようにも思うブログだが、この内容は面白いとも思う。最近カラオケで雪国を字余りアドリブ英語訳で歌っていない。

 「土曜日は朝から授業で、昼食もそこそこに夜7時まで開けている。定期試験も近づいてきているので、普段より忙しかった土曜日であった。7時過ぎに最後の生徒が帰り教室前においてある自動販売機で缶コーヒーを買って、教室で一息ついていた。緊張が解け眠気が一気にこみ上げてくる。「もう上がろうか」と思っていたら入り口付近で何か物音がしている。「あれ?」と思って入り口の扉を開けたら、中学生の子どもをつれた女性が立っていた。「体験学習をしたいのですが、まだよろしいでしょうか?」との事。以前問い合わせの電話をくれたようで、土曜日の7時以降がゆっくりと、体験学習が出来るということを覚えていたようだ。「はい、授業が終わったので、ゆっくり体験学習が出来ますから。」と返事をして教室にその二人を案内し、いつもどおりのカウンセリングから中学生の体験授業がはじまったが、どっかで会ったことがあるような親しみを感じる、お母さんであった。

 いろいろ話しているうちにどうも私の事を、それも私の小さい頃からを知っているような話し振りなのだ。はっきり何年前とは言わないが友達からこの塾の話や、私の事を聞いたとか言うのである。どう見ても30代後半のお母さんだが、私が小さい頃は生まれていないだろうし、私が当時直接会ったとも思えない。そのそばで体験学習をしている中学生は坊主頭のまだ学生服が大きく見える、小柄な子であった。「訳も分からないはずなのに英語の歌を口ずさむような子なので、英語力を楽しく伸ばして欲しい。」というお母さんの希望に、この塾の教え方があっていたようなのである。
お母さんとは話はあまりしないで、その中学生の体験学習の様子を私も一緒に見ていて、一段落して感想を聞くとぜひ入塾してみたいとの事で、入会希望書をお母さんに書いてもらって腰を抜かしそうになってしまった。私の母の名前が書かれており、そしてその子どもは中学時代の私であったのだ・・・・。

「うそ〜!?」と叫んで立ち上がったら、机の上に置いていたコーヒーの空き缶が倒れ落ちて、我に返ったのだった。「夢か・・・」と思いながら、英語のヒット曲まで歌える先生が教えるこんな塾が昔にあったら、俺は今頃プレスリーか・・・!?などと夢見ながら、吉幾三の「雪国、The Snow Country」を口ずさんで、月夜の中を自転車で帰るのであった。
〜好きよあなた 今でもいまでも・・・ I love you my darling,Still now ,still I'm thinking of you…〜相変わらずわけの分からない英語の歌を、口ずさんでいた・・・。」