投稿 佐渡 裕(ゆたか)氏の快挙

 日本人としては、小沢征爾氏に続くベルリンフィルの客演指揮者としての佐渡裕氏の演奏会が、テレビで紹介されていた。彼は合唱から吹奏楽の指揮もできる類まれなオーケストラの指揮者であるが、どのジャンルの楽曲においても彼のほとばしる音楽への情熱が、熱く溢れているのである。
 小学生の文集に将来の夢は「ベルリンフィルの指揮をする」と書いた同氏は、夢がかなった演奏会では後半涙ながらの指揮をしていた。演目は、私も若い頃胸を熱くして何度も聴いたショスタコービッチ交響曲第五番「革命」であったが、終楽章のファンファーレとティンパニーの連打の部分では、思わず鳥肌が立ち目頭が熱くなってしまった。
 「夢はあきらめない限り、叶わないことはない!」と幾度か聞いたこともある。しかし家庭を持ち日々の暮らしに汲々としている最中に、「指揮者なる夢をかなえたいから、自由にさせてくれ・・・」などと家族に言えるはずもなく、一人趣味として楽曲分析などの勉強を続けていたが、いつの間にか現実と世間の荒波に飲み込まれてしまった自分であった。そんな中で夢を持ち続け実現した佐渡裕氏に、自分を重ねているのである。でも今、将来に無限の可能性のある子どもたちの夢の実現を少しでも手助けできる仕事を持てた私は、佐渡裕氏と同じくらい幸せ者かもしれない。

このブログは平成23年6月10日高知新聞朝刊 声 ひろば欄に掲載されました。
http://www.kochinews.co.jp/voice/1106/110610vhiroba01.htm
 
(追伸)ラーメン好きな私は、このラーメンを定期的に食べたくなるのです。ラーメンにご興味のある方はお試し下さい。おいしいです。