自らの落とし穴に落ちて亡くなった新婚夫婦

 なんと言うことだろう!・・・こんなことが現実にあるとは・・・こんな人生の終わり方をするために、二人は生まれて育って出会って結婚したなどとは思いたくないが、何ともやりきれない話の顛末である。
 旦那さんの誕生日を祝うために奥さんが友達と掘った穴だったようだが、2.5メートルなんて崩れてきたら、窒息しかねないから限度にもほどがある。ふと「二十四の瞳」の子どもたちがいたずらで落とし穴を掘り、担任の先生を落として喜ぶはずがケガをさせてしまい、みんな反省から泣き出してしまうシーンを思い出してしまった。きっと愛情表現の一つに違いないが、取り返しの付かないとんでもない結果になってしまって、そんな二人以上に多分私と同じくらいの歳の二人の親御さんの気持ちを考えると、無念でやり場がなくてただお気の毒である。
 神様、こんな若い夫婦揃っての人生の終わり方ってありですか・・・と叫んでももう後の祭りだ。

落とし穴死亡、掘った妻も目印を見落とし転落 
石川県かほく市の大崎海岸に掘られた落とし穴に、金沢市湖陽、会社員出村裕樹(ひろき)さん(23)と妻の里沙さん(23)が転落し、窒息死した事故で、県警は、穴を掘った里沙さんが目印のペットボトルを見落とし、2人とも身構えずに穴に落ちたため、逆立ちする形で上半身が砂に埋まってしまったとみていることがわかった。
 捜査関係者によると、誕生日を迎える裕樹さんを驚かせようと、里沙さんが落とし穴作りを発案。友人の男女6人と、27日昼過ぎから、2・4メートル四方、深さ2・5メートルの落とし穴をスコップで掘った。計画では、里沙さんが裕樹さんを海岸に連れ出し、裕樹さんだけを落とすはずだった。ところが、暗闇の中を携帯電話の明かりだけを頼りに落とし穴に向かったため、里沙さんが、穴の周囲に置いた目印のペットボトルを見落とし、2人一緒に転落したとみられる。
読売新聞 8月31日(水)14時34分配信