やはり大きい塾は・・・

 大手塾はここまでしないと生徒は集まらないようだ。ただ有名国立大にまで行って年収2000万くらい稼ぐカリスマ予備校講師になるならまだしも、月々そんなにもらえない塾の講師などに就職させるのは少しかわいそうな気もするのである。以前東大卒の塾講師と話したことがあるが、「私などは同じ東大を済んで国の官僚や有名企業に就職できた者から見れば、どちらかといえば落ちこぼれです。でも東大卒というだけで就職活動はせずに塾業界は簡単に入れたし、給料がここはほかの大卒より高いのです。たとえ教育学部を済んでも公立の小学中学の先生にはなんとなくなりたくないし、でも将来も塾講師を続けているとは思いません・・・。」と少し酔っぱらって話していた。確かに自分がよくできるからと言って他人にうまく指導ができるとは限らない。東大出の中でもコンプレックスはあるようである。
 でも東大卒ではなくても朝午前中から教室を開け、夜11時過ぎでも教室には明りがこうこうと点き、まだその講師のたちの自転車やバイクがその塾の前に毎日にように止まっているのを見ると、そこまで働かないとその塾では講師としての給料ではやっていけないのか、労働基準法はどうなっているのだ・・・、なんて考えてしまうのは私だけだろうか、まさか11時過ぎには生徒は教えてはいないだろう・・・。子どもをベビーシッターにただ預けるだけで時間¥1000以上取られる時代に中学生や高校生をも指導監督し、成績向上や受験指導までする塾の講師の時給は相対的に安すぎると思う。
 塾の授業料が安いということは講師の給料も安く、教えるモチベーションも給料が高い塾よりは低いかもしれない。土曜も日曜もなく夜遅くまで熱心な指導をする塾の講師もいるようだが、塾業は短期戦ではないから体を壊して続かなくなるのが落ちであるから、せめて講師が健康的な生活ができるような処遇を、経営者は考えるべきだろう。手慣れた講師が授業ができなくなるのは、塾だけでなく生徒さんにも大きな損失になるのだ。まして素人の大学生の教育訓練の場に、わざわざお金を払ってわが子を行かせる必要などない。実績のあるプロに任せるべきだろう。
 また生徒に便利で安い塾ほど働いている講師たちは大変なのである。だから私は講師を入れない。原点を忘れないためにも私が、全員の保護者や生徒(小学生から浪人生まで)の対応や面倒を見ているし、生徒の指導監督の責任の所在はすべて私、小笠原隆政にある。
「あなたのお子さんが通っている塾の責任者の名前をご存知ですか、お子さんに直接教えている講師の名前や顔をご存知ですか、授業中のスーツやネクタイ姿に騙されていませんか、そんな姿ではなかなか身をもっての指導はできないものです。学校の先生がいつもスーツやネクタイを身に着けていますか、普段は不便極まりないから着ないのです。教育はファッションでは出来ません。」
 さらにクールビズの今のご時世に、逆に後ろめたさがあるからそんなフォーマルな格好をしているのではないかと、私などは疑ってしまう。教室で着込んで熱いから冷房を掛けるとその電気代は全部あなたのお子さんの授業料に乗せられているのである。
 永年その地元に住み、その地区でよく知られた「地元のおっさん」がずっとやっている寺子屋みたいな、生徒の親や祖父母と知人の歴史と実績がある地域密着個人塾が、やはり間違いありません。また地域外からも何も違和感なくまたいろいろな学校の生徒がわざわざ来てくれるのは、この塾の懐の深さを表していると思います。おかげさまで、ほぼ今年度は定員になってきました。


国公立大出身98%」実は14%=「進学会」に措置命令―消費者庁
時事通信 5月20日(火)19時21分配信

 「北大学力増進会」「東北大進学会」などの学習塾を展開する「進学会」(札幌市)が、新聞の折り込みチラシで「講師の98%は国公立大出身」などと記載しながら、実際は約14%しかいなかったのは景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、消費者庁20日進学会に対し、再発防止などを求める措置命令を出した。
 同庁によると、進学会は2011年5月23日〜13年3月11日、「北大学力増進会」「東北大進学会」「名大進学会」の三つの塾名で、夏期講習や春期講習の参加者を募集する計約1324万枚の折り込みチラシを配布。この中で「国公立大出身98%、精鋭講師陣が皆さんを指導」などと写真付きで紹介し、国公立大出身のベテラン講師が多いような印象を与えた。
 同庁や公正取引委員会が調べたところ、国公立大・大学院出身の正社員講師は全体の14.6%と判明。「98%」は国公立大在学中のアルバイト講師も含めた数字だったという。
 全国で七つの系列塾を運営する進学会には、13年3月末時点で高校生を中心に約1万1700人の生徒が在籍。今回の不当表示は、利用者からの苦情などで発覚した。