蘇った40年前のサウンド

 40年近く前、学生時代編曲を勉強していてアルバイトをしていたヤマハスタジオで展示品が払い下げになり、バイト代にお金を足して買ったスピーカーが蘇った。スピーカーは痛みそうにないように思えるが永年使っていると、ウーハーが破れたりスピーカーに錆やカビが生えたりして、特に低音がならなくなるのである。サイズも結構大きく重さも片方で20kg以上ありもう捨てようと思ったこともある低音のならないスピーカーシステムであったが、思い出も愛着もありネットでスピーカーを修理してくれる方が仙台にいるのを知り修理を頼んでみた。今は安価なバスレフ方式が多い中、昔のしっかり作られた密閉型のスピーカーケースから30センチウーハーの半田付けを外し、ユニットからスピーカーを外して修理に出した。修理してくれた方が、「ヤマハNS-690の初期型ですね、このシリーズの中では一番良い作りで今ではあまりないスピーカーシステムですから、名器の一つです。直されてまた良い音でお楽しみください。」とのことだった。
 スピーカーは約二週間弱で修理ができて送られた来た。そしてカバーのサランネット(外側の布でできたスピーカーカバー)も自分で替えて、新品同様となり少し興奮しながら音を出してみた。本格的な重厚なサウンドが部屋に広がり、やはりクラッシックは素晴らしく聞こえるのである。やわらかで控えめなヤマハNS-690のサウンドは素晴らしい!さっそくTVともつなぎ映画も大迫力音響で楽しむことにしよう。
 当方高校大学時代と音楽に入れ込んで少し回り道をしたが中学時代は、大の理系人間でアマチュア無線の国家試験資格を取り(JA5DPH)、アンプ作りやラジオ作りの半田付けに明け暮れていたのであった。だからかパソコン組み立てはさほどむつかしくなかった。半田付けするわけでもなくプラスドライバー一本で各パーツを組み立てればできるからだ。しかしハードはわかってもソフトはあまりわからない中年のおっさんである。
 40年ぶりに蘇ったヤマハNS-690のサウンド、クラッシックにはもってこいの名器スピーカーであり、またゆっくり音楽鑑賞を楽しんでゆきたい。直していただけて大感謝である。