最近の英語教育

 受験生を毎年相手にしていますから、例年1月から3月までは気が休まりません。特に今年は大学入試の共通テストが始まりました。4技能必要だと言われていた英語は結局は例年通りのやり方になりましたが、試験内容はかなり変わっていました。特にリスニングはかなりきつくなっています。日ごろからあのスピードのリスニングに慣れていないと、多分後半は頭が英文を受け付けなくなるでしょう。その点私の教室は「英語学習の原点は聴くことである」というのが普遍のポリシーですから、高校生には必ずリスニングタイピングで短い構文をかなりの速さで聴くことを始めていますから、それに慣れている生徒は最後まで余裕をもって聴けたそうです。

 世間ではネット英会話なるものが多くありますが、初心者でいきなり外国人相手にそれをするのはきついと思います。十分基礎から英文を聴き込んでから、相手が何を言っているかがわかるレベルで、外国人講師には外国人講師にしか習えない事を習うべきなのです。そんな外国人とマンツーマンで授業を受けて、少し話がわかり始めた人は、英会話がそのものができるようになったと勘違いするのです。対面ならブロークンな英語でも、人間同士ですからジェスチャーも交えて会話はできるでしょうが、それが電話となると話は一変します。向こうはこちらが日本人などとはわかりませんから、どんどん普通の速さで話しかけてくるのです。結局何もわからず受話器を置くようになり、自分の本当の英会話力をその時知るのですね。

 こんな話は最近しませんが、やはり電話で英会話ができるレベルになることを、私が英会話教室をやっていたころは目指していました。でもミハー的にちょこっと英語が話せたら格好いい、などと来る人は私が教えると知ると来ないのです。白人の金髪の青い目の講師に習いたいようで、教室に来るのはそういう人ではなくて、本当に英語が話せるようになりたい、と思う外国で困った経験などがある人が来ていました。英語の発音を聴くにも日本人にしかわからない無声音などの悩みは、外国人講師にはわからないからです。

 これらはもう20年以上前の話ですが、国も小中学生に将来は英語が話せるようになってもらいたいと思っているのか、学校の授業なども私が昔から実践しているやり方で、授業が始まっています。ですからきっとリスニングをしっかりやっていたら、英会話など少し学べばすぐできるようになるでしょう。でも日本人としての誇りはもっと学んで身に付けてほしいと願います。