PPAPーAmerica Firstよりも大切なもの

 いつこの話題を取り上げようかと考えていました。うまく使えば小学校の英語の授業に使えるなとか思っているのですが、やっているピコ太郎氏がどれだけ英語を理解しているのかなどはさておき、英語など何も知らない子供たちがアイハブアペン、アイハブアンアポー、合体すればアイハブアンアポーペン!とペンとリンゴをもって口ずさむことが素晴らしいのです。まさに私が広めている語学理論そのもので、そこには主語がどうのこうの、動詞がどうのこうの、目的語の名詞が母音で始まるから冠詞がアンになるなどの説明などまったく不要なのです。きっとこの歌のおかげでhave動詞の使い方は英語の先生が教えるよりも分かる事でしょう。
 そしてアメリカ大統領トランプ氏のアメリカファーストの発音が日本語のカタカナで書いた発音とはかなり違う事は、普通に日本語が話せる人なら分かると思います。生徒の前で日本語のアメリカファーストと英語のAmerica Firstを発音すると生徒はすぐに明らかな違いが判りますし、FirstとFastの違いも発音するとまったく違う事にも彼らはわかります。塾で英語を教えている講師で生徒に分かるようにこの違いを発音できて、さらにその発音の方法の違いを生徒にはっきり説明できる講師がどれだけいるでしょうか、これからの英語は点数取れるだけの講師ではわかりません。使える英語が身に付いていて、正確な発音が出来て初めて教えられるのです。
 またニュースでパイナップルの絵を見てこれはなんでしょう?と聞かれた小学生がパイナポーと書いて、国語の試験でペケにされたという笑えない話を聞きました。だから日本人に早すぎる英語教育は必要ないと私は言っているのです。やはり日本人にはまず日本語が大切です。幼児英語教育の指導者が、きれいな正確な英語ときれいな正確な日本語で指導出来れば良いのですが、とかく日本語はなおざりになりがちです。日本語もきちんと話せない小さな子に、英語を学ばせる方は何をお子さんに求めておられるのでしょうか、今すぐペラペラと英会話ができるお子さんでしょうか、もしそうなれたとしても日本語がおかしくてもかまわないのでしょうか、きっと本音は学生時代に英語の成績でも良い点を取って、良い進学先に進んでもらいたいと願っているでしょうし、お子さんが大人になった時に英会話くらいできるお子さんになってほしいと願うからだと思います。そしたら学生時代に英語の成績用の勉強をさせて、大学受験の勉強をして大人になって英会話の勉強をさせれば良いのです。そのために小さい頃から始めるのでしょうが、子どもは覚えるのは大変速いですが忘れるのも大変速いですから、幼児から英語教育を受けさせたのなら、その身に付けた英語技術を消さないためにも、ずっと大人まで続ける必要があるのです。
でもほとんどの人がそれは出来ませんから、大人になった時にただの英語が話せない人になってしまうわけです。
 しかし焦る必要はありません。英語などより人間的に必要な身に付けなければいけない物は、子どものころにたくさんあります。それをもう一度考えてみてください。英語よりは日本語の字が上手に書ける方がずっと日本人には役に立ちます。大学で就職活動に必要な履歴書は手書きが原則ですから、そこから上手な字とそうでない字は差が出ています。特に女子は乱筆では能力まで低く見られがちですから、英語を学ばせるお金があったらまず字を絶対習わせる事です。私も塾でこれをやりましたが世の中の人はまだ分からない人が多いようで、志半ばで挫折しました。でも教室の看板にまだ「学習こうひつ教室」の看板は出しています。少し私は行動が早すぎたようですね・・・。
 日本では英語はまだまだ必要不可欠ではありません。公的書類の半分でも英語で書かれ始めましたら必要な時でしょう。お子さんに英語を強要するのではなく、自然と英語を選ぶ環境を作る事が大切です。それにはお母さんお父さんがもう一度英語を勉強するべきでしょう。それがお子さんを英語好きにする一番の近道です。