投稿 龍馬飛躍の理由

龍馬伝」を毎回楽しみに見ている。第2部が始まり彼の飛躍が始まったが、ふと彼の飛躍の原因や理由を考えて見た。
 19歳で剣術修行のため江戸に行き、見事名門北辰一刀流の目録をもらって土佐に帰ってくるが、その頃の仕送りは学者が調べた所によると、毎月一両くらいでいまの価値に換算すると30万円ほどだそうだ。でもかなりのお金を使って目録をもらったのに、土佐で道場を開くわけでもなく彼は定職にも付かない。私が親なら尻をたたいてでも道場を開かせたと思うが、やりたいことがあると突然28歳の時に、家族と家を捨て脱藩してしまう。かなりの罪を犯したのだから普通なら家族とは「絶縁状態」だろうが、龍馬の家族は賛成すらしなかったが、かなりのお金を持たして送り出しているのだ。
 それ以来彼は日本を又に掛け、縦横無尽の活躍をするが彼のこの大胆な発想や行動力は彼が小さい時から、裕福な家庭に育ちお金の心配をしなくても済んだからこそ、育まれてきたのではないかと私は思え始めたのである。金回りの良さも彼の彼たるゆえんかもしれないが、彼の人間的な大きさや度量は少なからず実家の経済的な後ろ盾に、形成されたのではないだろうか。
 彼を非難しているわけではない。やはり世の中を動かす人にはそういう天の力も味方するものかとも思うのだ。でももし彼が岩崎弥太郎のような境遇で、岩崎弥太郎が龍馬のような家庭に育っていたらと日本はどうなっていただろう・・・と想像するだけで、また余計に「龍馬伝」が面白く見られるから、不思議である。


高知新聞4月26日朝刊 声・ひろばに掲載されました。

このブログ3月5日付けの追伸5に書いた内容と同じですが、自分も龍馬への思い入れもありその文章をそのまま投稿には、書けませんでした。