人気と中身の実力はさまざま・・・

 昔々ではなくて最近ある方から聞いたお話・・・
 「ある小学校に、子ども・保護者ともにとても評判の良い男の先生がおられました。ところが、その先生に対する管理職からの評価は非常に悪く、管理職は保護者などにその先生に対する評価を時々こぼしておられました。そのときは○○県という土地柄もあり、その先生は組合活動を熱心にされてましたので、その男の先生は管理職に反発しているのだろう程度に思っていました。
 その数年後、3年生の知人のお子さんの担任がその先生になりました。クラスの子どもたちは皆楽しく学校に行っており、保護者懇談でも和気藹々として楽しい、と知人からその様子を聞いていました。その先生は、もともとにこやかなおじさんといった感じなのですが、工作を得意とされていて、運動会や発表会には手作りの大道具・小道具を作って盛り上げ、クラスでは子どもたちとパチンコを作って大会を開いたりと熱心に子どもに関わっておられました。冬に入ったころ、知人がうちの娘は漢字が苦手だと言って来たので私が漢字のテストをしました。結果、ほとんどまったくといっていいほど3年生の漢字が書けなかったのです。
 知人に聞くとなんと、3年生になって夏休み以外一度も宿題が出ていなかったのです。その話を管理職の先生にしたところ、「あの先生はいつもそうで児童は楽しく通うし、外向けのアピールは上手なので保護者も満足してしまうのだが、翌年の担任はとても苦労するのだ。しかも、改善するよう指導しても受け入れない、」とのことでした。それから3年たち、6年になった知人の娘さんは未だに漢字が苦手らしく、その先生は特別支援学級の担任になっています。
 一言で「人気がある」といっても、中身はさまざまですね。自分の仕事は「誰に、どう評価されたいのか」をしっかりと考えながら、やっていきたいものです。」

 まず塾では考えられないお話です。子どもが楽しく勉強しないよりはずっといいのですが、楽しい授業と分かる授業は違うものかも知れません。逆を言えば楽しくない授業で分からなければ最悪なわけで、更に成績というものがついてまわりますから、結果が出ないそんな塾はすぐ潰れていきます。学校の先生は首にならない・・・と言うのが先生をだめにしている一面かも知れませんが、身分が不安定では長い目での教育などできないでしょうから、公立で先生の身分は保証されているのでしょう。担任には向かないその先生は、特別支援学級で更にいい先生になっていることでしょう。