アメリカはもはや魅力のない国か・・

3月の日経新聞に下記のような記事が載っていた。

ハーバード大学長「日本人生徒の減少懸念」 1年生わずか1人  3月15日 日経新聞

今年の1年生で日本人は1人だけだ――。米ハーバード大学のドルー・ファウスト学長は都内での日本の大学関係者との懇談で、日本人留学生の減少に懸念を表明した。中国や韓国からの留学が増えるなか、日本人留学生の減少には「大学も注目している」と指摘。日本の学生に「内向き志向」からの転換を勧めた。

                                          • -

 理由はいろいろ考えられるが英語を学ぶにしても日本でも十分それなりの力は付くし、円高の時期だからこそ留学はチャンスなのだがそれがかえって、その国で学ぶ値打ちさえも下げているようにさえ見えてしまうのである。そして日本での就職もままならないのに、まして留学したところでよっぽどの名門大学であるか本当の実力がないと、日本でもそんなに職はなく思うようには稼げないだろう。
私がアメリカに行ったころは250〜270円くらいであった。1万ドルが1年の生活費だったから250万である。必至になって稼いで貯めたお金で学んでいたものだが、英語もたいしてできないのに、キャデラックを乗り回し、電話一本で1万ドル(250万円)の仕送りをしてもらっていたドラ息子に、よくたかっていた。そんな彼らには大変優雅に見えたアメリカでの生活も、私の頭の中ではすぐに1ドルが250円に換算され、10ドル以上はめったに持ち歩かない日々だった。それが今なら1ドル80円である、時間給10ドルもらっても800円だから、アメリカで夢をつかもうとは思わないかもしれない。
 アメリカで少し学んだところで難解な英語が簡単に分かるはずもなく、大して会話も出来ないしアメリカにも行った事がない人でも勉強すればTOEICで900点台が取れる時代だから、結局はどれだけアメリカが好きになり、また自分の中でアメリカをどれだけ消化できているかではないかと思う。でも今のアメリカの現実を見ると、英語やアメリカ人はそんなに分からなくてもいい・・・とさえ思える。
 耳が私は音楽で鍛えていたからか英語が上手に発音できたが、それは日本から英語やレコードで聞いていたからである。現地に行って歌詞や英語のせりふで覚えた表現を言うと、大変へんな目で見られたものである。誇張された表現だったわけだが、そんなことは現地へ行って分かった事である。でも考えてみれば流行り歌の歌詞を日常生活で使う人は日本人でもそんなにいないから、当たり前の事だった。やはり私の場合、アメリカは「憧れ」だったのである。でもそれなりに歳を重ねてくると、やっぱり日本人で住みにくく感じても日本が良い。アメリカで住んでいる日本人の多くが歳を取ってくると、「望郷の念」が強くなってくると言っていた。
 学校英語を教えていて「私は少年です。I am a boy.」を疑問文ではBe動詞を前に出して「Am I a boy? 私は少年ですか?」なんて表現はあり得ないのだが、似たような置き換えがいまだに試験に出ているのである。英語として考えればよいのだが、会話として観てしまうとおかしなものになってしまう。こんな事は仕方ない事かもしれないが、いくら英語を勉強したってアメリカ人にはなれないし、日本人だから英語など分からなくていい!とおもう若者が増えてきたのだろうか。
 テレビでは相変わらず「聞き流すだけで英語が話せる」という教材が宣伝されている。聴くことは大事であるが無口な人間は英語を話す時も無口であることは変わらないし、まして英語を話す時に口は「おしゃべりの六(む)口」にはならないのだ。まずは英語を使う機会をもてるかどうかだろう。でも無口ではない私にもアメリカはもはや、以前のような「魅力のある国」ではなくなったのは事実である。しかし、ハワイにはたまに行きたい・・・
 尖閣列島に日本のハワイを作ったらどうだろうか!?一大リゾートにして、白いビーチに高級ホテル群、カジノもあり免税で全てが買える買い物天国にするとか・・・、中国人観光客が多くなって人気になり領土問題は消えるかもしれない・・・。