カリフォルニアの青い空

 テレビ番組のBGMでこの曲が流れていた。アルバートハモンドの曲とは知っていたが歌詞がどんな内容か知りたくなって調べたら、イメージとはあまりにもかけ離れた内容であったのだ。
「頼むから、僕が何処でどうしてたかは言わないでくれ」 のフレーズが何とも悲しい。「ハリウッドで仕事が出来るようになるのが目標なんだ」 などと周囲の友人たちに言い残して故郷を去りカリフォルニアに来たものの、チャンスには恵まれず、仕方なく夜の盛り場でバーテンダーのアルバイトをしているところへ、故郷からカリフォルニアに来た友人が客として偶然現れる…。
「あれ?! こんなところで何してるんだい? ハリウッドでスターを目指してるんじゃなかったのかい?」
「それがね…」・・・なんてシーンをイメージしてしまった・・・。

湿気がないせいかカリフォルニアの空は本当に青い。一度しかない人生夢に向かって挑戦するのは素晴らしいと思う。でもかなえられない夢も多いし、夢は夢で置いてあるから夢として見られるのかもしれない。その挑戦が誰にも迷惑をかけず自分ですべての責任が取れることが、肝要であろう。日本で言えば「東京の青い空」ってところか・・・。
 塾によって、子どもに夢を持たせて指導している教室もあるようである。「野球選手になりたい。」「Jリーガーになりたい。」・・・などなど夢はあるだろう。そしたら塾で野球やサッカーを教えるのだろうか、多分そんな選手になるにも、「勉強はしておいたほうがいいよ」と塾では指導していると思う。でも小学生からそれらのクラブに入りそれらのクラブが強い中学や高校へ、親元から離れて入学させる親を見ていると、もっと他にその子には可能性は無いのだろうか・・・と思ってしまう。打って走って守れる公務員やサラリーマンがいたっていいじゃないかと思うのだが、あまりにその道に固執しすぎてケガをしたり才能が足らなかったと分かった時に、違う道がより簡単に歩めるように、それらの塾の先生は勉強させているのかもしれないなとも思った。

 さて今回の歌に戻ろう。人生の機微を雨になぞらえ若者が挫折した内容なのに明るいメロディーとの対比が絶妙で、この曲の「南カリフォルニアには決して雨が降らない」という原題を、「カリフォルニアの青い空」と訳し売り出したレコード会社の日本人もすごい!と思う。夢しかなかった自分の若い頃が思い出される一曲である。もしこの曲をマイナー曲調で歌ったとしたら「雨のカリフォルニア」とかなって、演歌の世界になるだろう。