投稿 「人の運命」に思う

 今年の夏休みは大雨と台風で遊びに行く予定も短くなり、余った休日は溜まったビデオを見ていた。やはり印象に残ったのは、1985年8月12日に起きた日航ジャンボ機墜落事故の特集番組であった。  
 もう29年も前になる事故だが今でも鮮明に覚えている。ボイスレコーダーの音声解析技術が当時よりは発達し、確認できなかったコックピット内の会話や管制塔とのやり取りが再現されていたが、操縦不能のジャンボ機を何とか操縦し、一人でも多くの乗員乗客を助けようと命がけで苦闘するクルーたちのコックピット内での会話が、今でも耳に残っている。またダッチロールと言われる乱飛行の中家族への手紙を書いた父親の話などは、自分が今その立場になって身につまされ泣きそうになる思いである。  
 しかしこのような事故でいつも思うのは、「人の運命」である。あの事故機に乗らなければその人の命は、そこで終わらないのだ。その運命をいったい何がどのように決めるのだろうと、今でもよく考える。  
 きっと今まで紙一重で事故などに巻き込まれず、生かされてきただろう私の命、精一杯大切に使ってゆきたい。

このブログは高知新聞8/21付朝刊 読者投稿欄に掲載されました。
http://www.kochinews.co.jp/voice/1408/140821vhiroba03.htm