小学生のデジタル論争

 高知新聞では読者欄に小学生の投稿がよく載っている。先日はデジタル教科書の使用賛成、反対の意見が載せられていた。方やデジタル教科書は便利で勉強がはかどると言い、方やデジタル教科書は紙のように安くはなく、後から読み直すのが不便だとの意見であった。二人の主張はもっともでこういう経験をこの年代から積んでいけば、大人になった時にしっかりとした自分の意見を論理立てて、説得力のある意見発表ができるようになるのではないかと思う。
 我々はどうしても意見の交換をするとき、熱心さのあまり相手の意見を否定し、自分の意見を正しいものとして感情的に押し通すきらいがある。時にその意見の対立は争いになりひどくなれば、戦争にも発展するのだ。
 些細なほんとに小さなことが雪だるま式に話が大きくなり、多くの人間の対立を生んできた歴史を我々は忘れてはなるまい。
 先の小学生のデジタル教科書論争は、どちらがよくて必要でどちらが悪くて必要ないなどとは今は言えないだろうが、デジタル教科書が発明されたから、従来の紙の教科書の良さや便利さ不便さもわかったのだから、それが時代の進歩と言えるものだろう。きっとこれからは両方のいいところが教科書として利用されていくと思うが、その小学生が大人になる時は、今では想像もできない教科書で教えているかもしれないのだ。きっとその時彼らも「昔は紙の教科書もあってよかったね」と言っているだろう。