「らんまん」から力もらう

「言葉足らずの愛を愛を貴方へ、私は決して今を今を恨んではいない・・・」今放送されている「らんまん」のテーマ曲の歌詞である。テーマ曲が八分の六拍子という事はすぐわかったが、後半一小節を二つでは取れないところがあり採譜してみたら、八分の三拍子が一か所あったのである。

 悲しい歌詞でありながら長調で曲は書かれており、おまけにリズムに乗りやすくシンプルなコードのメロデイーで、八分の六拍子で書かれているところは、歌詞の内容と主人公の生きざまとが相まって、素晴らしくこのドラマを引き立てていると思う。

 私が小学生の時に担任が理科の専攻の先生で、牧野博士と会ったことがあると話していて、植物採集をして標本を作り新聞紙に挟む授業があった。

博士が昭和30年代当時に94歳まで長生きされた理由は、やはり生涯続けてきた仕事があり、夢があったからではないだろうか。そして私は博士が若い頃から植物採集のために野山を歩き回り、知らず知らずに足腰を鍛えていたからではないかとも思うのである。

 最近読んだ本で「老化は治療できる」と書いていたが、いくつになっても仕事や夢を持ち続け同時に体もそれなりに鍛えてゆく事で、「治療しなくてもよい老化」をできるような力をドラマからもらっている。

この記事は6/4 高知新聞読者欄に掲載されました。