ニュース砂漠

「ニュース砂漠」という言葉をご存じでしょうか、毎日発行される新聞も、週に一回発行される新聞もない地域の事を指す言葉です。日本ではあまり聞きなれない言葉ですが、アメリカでは最近ジャーナリズムの世界で大変聞かれます。

 最新のレポートによると、2004年から15年間で廃刊、他紙との合併などで消滅したアメリカの新聞の数は約1800紙だそうです。その原因を考える時、やはりデジタルメディアの台頭やSNSの普及が考えられますが、若者の活字離れや新聞離れも起因しているようにも思います。地方で新聞メディアが無くなる事は、地方自治に対するチェックなどもできない事であり、新聞記事は人的チェックがなされた事実が載せられていますが、手軽なSNSではそれらのチェックはなくて、とんでもない「デマ」が氾濫する危険性を持っているのです。

 それらは日本でも指摘されていることで、災害や事件などが起きた時、悪意を持った人がもし住人をパニックに陥れるような「デマ」を発信すれば、あっという間に世の中に広まってしまう恐れもあります。

 地元の地方新聞はどうでしょうか、購読部数が最近は減っているようですが、やはり活字の記事はより深い信用と安心を私には与えてくれます。デジタル時代だからこそ、昔ながらの新聞がより大切であると確信し、高知県を「ニュース砂漠」にしてならないと強く思います。

 

このブログは高知新聞令和元年7月3日 朝刊読者欄に掲載されました。