塾長研修・塾の近未来像

 今年もこの時期に、私たちパソコンを教材や学習ツールに使う塾の塾長研修が行われた。もう10年近く続いており毎年、関東関西中国四国そして九州からも塾長が参加されて、有意義な話し合いが今年も持たれた。
 10年前にはパソコンを教材に使う塾などあまり評価をされなかったが、我々は早くからパソコン学習の可能性に着目しずっと研鑽を続けてきたのである。学校でもパソコンを使った授業は行われ、中学高校でもパソコンの取り扱い方法を教える授業は行われているから、最近では保護者によっては「そちらの塾は授業にパソコンは使用されていますか?」と尋ねてくる方もいるほどである。やはり学校のような教室タイプの一斉授業では、学校と同じ結果を招きかねず各生徒に合わせた個別な指導が塾では求められるのだ。すると生徒の数だけ講師が必要となり家庭教師となんら変わりがなくなってしまい、料金的にも大変高く設定しなければならなくなる。でも料金が高くなれば良い講師がそろえられ良い授業が提供できるかと言うと、特に地方では難しい。どうしても大学生がアルバイト的に講師をするようになるが彼らも人間で学生であるから昨今の就職事情から大変忙しいし、名選手が必ず名監督になれないのと同じで、いくら彼らが学習能力に長けていてよくわかっていたとしても、それを分からない者に分からせる事はまた違う能力が求められるのである。性格もあろう、能力もあろう、そして教えるのが好きかどうかという事も関係してくる。こう言っても現状はなかなか理解してもらえないかもしれないから、分かりやすい一例を上げよう。
 私たちは日本語がペラペラである。海外の大学で日本語を長く学んでいる大学生などよりは、格段に日本語能力は高いかも知れない。そんな私たちが海外でもし日本語を教えてほしいと頼まれたときに、何も日本語が分からない現地の人に我々誰しもが日本語を根気強く教えられるであろうか?と考えてみた時に私が言いたい意味の本質が理解いただけるだろう。一番大切なのは「相手に分かるように教えたい!」という気持ちがあるかどうかなのだ。そして根気もいる、テクニックもいる。一番大切と考える一定的な教える内容(教務)に関して我々は、パソコンを使う事により全国的なレベルでの安定的な指導ができるのだ。生身の人間が教えるのが一番いいだろうが、機械ではないから体調も影響し精神的な事も影響する。同じ月謝をいただきながら時間によってそんな授業に変化があったとしたら、生徒にはまったく申し訳ないとおもうから、ある程度まではパソコンで学習を提供し大切な詰めや生徒管理を私たちが各自に合うように行い指導をしているのである。高知でも進学校では一部同じようなパソコンでのネット授業が、有料で利用されているのだ。また私は英語の発音には自信があるが、もし生徒が100人いて同じことを100回繰り返さなければならないとしたら、全く同じ内容でそれらを100回発音を正確に繰り返す自信など体力的にも全くない。でも我々の塾はパソコンを入れているから私よりもさらに素晴らしい外国人の発音が、いつもベストの状態で聴いてもらえるのである。だからパソコン学習がない塾ではそれらは生徒全員に平等に、授業が行われていないかもしれないとも言えるかも知れないのである。
 さらにパソコンが進化したタブレット学習塾が最近現れ始めて今以上に様相は変わってきている。文科省タブレット端末の普及を近い将来考えているようでそれをもう先取りして、個人学習のツールとしてその塾は授業を始めている。ただこの学習は手軽で興味深いものであるがどうしても人的フォローがないと飽きやすく、親だけの監視の元ではなかなか続かない。また、データーは残るが紙に記録が残せない。現実的にタブレット端末では勉強が出来たとしても、鉛筆を持って紙に書かれている問題に取り組めなければやはり学校での学習の本当のサポートは無理で、子どもは「学校がタブレット学習じゃないから勉強ができないんだ・・・。」と言いかねない恐れはある。学校が将来そういう方向なら我々もその方向に軌道を修正していくであろうが、まだノートや紙を使用しそれを記録媒体として記録や評価につかっているから、我々も最終的には鉛筆でノートやプリントに書かせる学習方法を続けているのである。
でも10年後はかなり変わっているとは思う。タブレット端末がいたるところに出回りそれで論文作成や試験が行われ、終了時には瞬時に各自の論文の優劣や試験結果が配信され結果が分かるようになるかも知れない。いやその合否や成績の優劣を生徒のみならず保護者にも知らせて学校や塾の有名校合格率が、瞬時に発表されるようになるかも知れない。そうした時に今のままで何もIT媒体を使っていない塾などは一体どうなるのだろう・・・。コピー機があるのに手書きで写しているような感じにさえ思えてしまう。やはり塾の近未来像はパソコン無しでは考えられないのだ。だから私らのやっている事は将来的にも間違いなく通用する方法であると確信するのである。そして疑いもなく私どものような塾にお子さんを入れるお母さんやお父さんは、大変進歩的な考えの方々で必ずお子さんに将来感謝されるに違いない。
 ある保護者が話していたが、「この塾が一般のパソコンを使わない塾と値段がそんなに変わらないのなら、プラスアルファの便利さで授業が出来るパソコン使用塾に絶対わが子は通わせます!」・・・この保護者の言葉が今の私たちの気持ちをすべて理解し、代弁くれているのである。そう次に思われるのはあなたかも知れません・・・。