自分を凡人にしない秘訣

 ある新聞に故黒澤明監督の記事が載っていた。彼自身の助監督時代について振り返っていた。とにかく忙しい。それでも監督になるには新しいシナリオを書かねばならないが、「助監督になったら暇がないと言うが、トイレの中だって一日一枚は書ける、年に三百六十五枚の長編になる」「寝床に入ってからも、二、三枚は書いた」「書こうと思えば、案外、書けるもので、何本か書き上げた」(都築政昭『人間 黒澤明の真実』山川出版社)。

 “黒沢明だからできた”というより、この気構えと行動が彼を巨匠にしたいうべきだろう。“忙しいからできない”と諦めるのはたやすい。そうせずに大変な状況の中でも、できることを見つけ、「これだけはやり抜こう」と挑んでいく。小さくてもそうした積み重ねが、時がたつほどに大きな差となる。

 私が塾生に話している話と同じ内容であった。また自分を凡人にしない秘訣は、自分が凡人だと自覚し変革しようと行動する事から始まるのである。

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