変わる学校で変わらない先生・・・

 今年は校区の中学校の年間試験日程が大幅に変わっていて、きっと既存の塾の先生方も驚いている事だろう。私は1学期の予定表から変わっているのは知っていたが、多くの保護者が兄弟の時とは違っているので驚いた、と口々に話される。そして日程表で改めて確認されているようである。今までは3学期制でそれぞれに中間、期末テストがあり年6回の試験成績で通知表が決まっていたが、今年からは年2学期制の試験日程が3学期制に導入されているのである。3学期制なのに試験日程は前期、後期の大学のような2学期制で前期は4月から9月、後期は10月から3月までに分かれ試験は6月下旬に前期中間テスト、9月中旬に前期期末テスト、11月下旬に後期中間テスト、3月上旬に後期テストがある日程である。多くの保護者が知らないのは学校がはっきり伝えてないからかも知れない。

 これは学校側には運営上日程的に余裕が取れ大きなメリットがある。土曜が休みになり、タダでさえ今までの学校行事が日程的にきついのに、昨年は多くの災害で学校は臨時休校を余儀なくされ、行事以上に教えるカリキュラム日程までに影響が出て、3年生が卒業するまでに高校入試に出題される範囲を、学校で全部教えれられない恐れが出たのである。更に今年はゆとり教育への多くの批判から、昔の内容が増える事もありとても日程的に無理だと学校側は考え、決定したのだと推測される。
 しかし、生徒側は年6回あった試験が4回でその学年の成績が決められるから、試験は厳しいものになるし、一度悪い点数を取ってしまうと絶対評価も始まっているから、ばん回が容易でなくなるのだ。さらにテスト範囲が広くなり、特に中学校生活になじみの薄い中1生は、試験が大変な重荷になるであろう。範囲が広くなっても試験発表は同じ1週間前と言うのが私には納得できない。せめて10日前に出来ないものだろうか?休み中には中学校でも高校生が受けているような補習が始まっている。下級生は実力をつけるための物で、3年生は高校入試対策のように聞いているが、学校の授業の延長では意味がないだろう。3年生でも2年生でも1年の数学や英語がわからなければ、やり直せるようなものにしないと結局はわからず、ただ受けているだけになってしまう。

 特に英語は夏休みは恐ろしい!なんとか1学期3ヶ月で覚えた大文字小文字のアルファベットも英語の単語も、Be動詞も一般動詞も、ましてや3人称単数現在のSの決まりなどは40日もの間何もしなければ,綺麗さっぱり真っ白に2学期ではリセットされるのである。
1学期はそんなに難しくないからみんな成績はいい、だから保護者も子供も分かっているつもり、だから何もやらない。多少数学のように悪ければ危機感も生まれようが、点数が60〜70点だから親は「上等!良くやった」と思って成績の悪い科目だけをさせがちであるが、これが大きな落とし穴である。特に1年生の夏休みの英語の補習は不可欠である。2学期に入ってアルファベットも忘れていると、全く文章が読めず書けない、学校の先生もそれには気付いているが、1学期のように書き方の練習は出来ないから、放ってしまいがちである。文法事項も増えてきて分からない子は益々わからなくなり、今後学生時代の英語成績の命運が、このあたりで決まってしまうのである。
 ここでつまずくと多分英語の時間は騒ぎ始めるのである。テストは30〜40点、もっと悪くなれば10点〜20点、ここまでになってさすがに親も気が付いて英語塾を探し始める。ほとんど手遅れで塾の先生でも教えられない事が多い。と言うのも文が読めないし書けないし、挙句決まりがわかっていないのだから一般塾では見られないのである。個人英語塾としてそんな生徒を何人もあずかり立ち直らせてきた。中には知人の学校の先生から、頼まれた事もある。気長にアルファベットから復習するしかない。集団では無理だから個人授業にならざるおえずお金もいるが、立ち直ればそれからは信じられないくらい英語が大好きになり、大学で専攻した生徒もいる。
 私の自慢話をしているのではないが、皆さんも英語が何となくわからなくなったのは、1年の2学期後半くらいからではないだろうか?遠因は1年生の夏休みに英語をしなかった事かも知れない・・・

 こんな当たり前の事に文科省が目を向けないで、いくらALTなど入れた所で彼らに我々の血税を外貨として取られるだけで、日本人の国際化など無理な話であるまいか?今はもっと日本人の英語教育専門家を本腰を入れて育てるべき時代なのである。分からない生徒の気持ちを優秀すぎる今の先生では、わかるはずもなく、分からない事がわからないだ!名選手が名監督になれないように、採用試験の成績がいいだけで先生になった彼らに、はたしてちょっとした基礎が分からない生徒の本当の気持ちや苦しさが理解できるのだろうか・・・・昔も今も中高名門私学卒の先生が公立校の先生になりたがり、彼ら自信の子供はその名門私学に行かせてその子供の就職は、公立校教員を目指させる・・・その変わらぬ図式に彼らは本当に公立校を良いとまた、良い職場としての誇りを感じているのだろうか?・・・何も変わらない彼らの姿にやはり釈然としない私である・・・



 (追記)このコラム、本体のHPのアクセスをはるかに越え、毎週末に書き加えられるのを待っておられる方が、たくさんいらっしゃると言う事だと思います。アクセス数3000件を重く受け止め、本音のそしてよりおもしろいコラムにしていく所存です。また何かご意見でもありましたらお聞かせ下さい、必ずお返事いたします。
 ありがとうございました。(感謝)